東京都が一方的に築地市場の豊洲移転を決め、これに対して中央区は一昨年12月に「築地市場地区の活気とにぎわいビジョン」を発表した。ところが都はこの構想に耳をかすことなく、昨年九月に豊洲新市場の実施設計を発表。いまだ都と区は話合いのテーブルにつかずじまいだ。
こうした推移のなか、区の「ビジョン」に期待を寄せる場外市場の業者、町会がこぞって、このほど「築地食のまちづくり協議会」が発足。
新たに発足した団体の代表者は20日、区役所を訪れ、矢田区長に設立趣意書を渡すとともに、築地の伝統を消すことのないように支援を要請した。また「築地から卸売市場がなくなることは、市場と一体となって発展してきた場外市場にとって死活問題であり、未だ好転しない社会経済状況と相まって明日に希望を持てない閉塞状況が漂っていたところです」と、現状を訴えたうえで、次のように新組織発足の動機と目的を説明した「市場移転後も『築地』の灯が消えることなく将来にわたる活気を築いていくために、場外市場に関係する商業団体と町会が一つにまとまって主体的に取り組んでいくことを決意した」
「食のまちづくり協議会」の会長には振興組合の北島俊英理事長、副会長には共栄会の戸張幸男、海幸会の高木邦男、築四町会の岩間章、築六南町会の大長謙蔵の各氏がそれぞれ就任した。
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