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■ 1月23日発行  このページの先頭へ
矢田区長に新春インタビュー

 矢田区長は4日の賀詞交歓会を皮切りに各地の新年会で「人口10万人達成が間近い」と訴えて、多くの区民を感動させている。区長に就任するやただちに中央区政の柱に「人口回復」を掲げ、対策本部を設置して、当時は人口5万を切るとも予測され、諦めムードが支配的であったにもかかわらず、その看板を降ろすことなく推進。バブル崩壊後の規制緩和が幸いして人口が急増することになった。人口10万とはいえ万々歳ではない、と区長は説く。そこで本紙は年頭に当たって「まちづくり」を中心にして区長インタビューを実施した。質問は(1)人口10万人(2)マンション問題(3)名橋日本橋の高速道路(4)築地市場の移転問題(5)銀座のまちづくり(6)水辺の活用(7)耐震偽造事件(8)第二助役復活、の多岐にわたった。いずれの質問も中央区の今後の方向を支えていく重要な課題。特に新しい賑わいを生みだすか否かを問われているもので、区長の示した指針が注目される。なお質問は他に介護保険と教育の問題にも普及したが、紙面の都合で割愛しました。

人口10万達成は区政発展への礎に
今こそ執行体制の強化が必要な時


  4日の賀詞交歓会でも区長は強調されておりましたが、中央区の人口が3月にも10万人に達する見込みとなりました。人口が増えたことによるメリットについて、区長の実感もふくめて教えてください。
  区 長 昔から「人集まらずして繁栄なし」と申しますが、中央区がそのシンボルになっている感がします。昨年だけでも5,287人、5.6%前年に比べて増加し、昨年10月の国勢調査では5年前に比べて35.3%も増えて全国2,221の自治体でナンバーワンです。日本は歴史上初めての人口減少時代に入り、去年は一昨年に比べて1万9千人、人口が減った。そういう中で本区の人口が伸びたこと、これはもう快挙と言ってよいほどのことじゃないかと、私は位置づけているわけですね。それは地域のモチつき大会などに行っても、子供が増えていると実感できます。中央区は十数年前まではいつも高齢化率のトップ争いをしていたんですが、それが去年は22番まで下がりまして、若返りが図られ、それは地域の盆踊りや祭りへの若者の参加という形で、良い点が出ているというふうに私は思っています。ただ、万々歳ということでなく、新しいニーズも人口増に見合って出ています。子どもを産みやすい育てやすい環境づくり、介護の問題に加えて、各地域のまちづくり、リニューアルも、環境や防犯・防災を視野に入れて取り組みたい。このために執行部も第二助役を置いて強化されたので、平成ルネッサンスの華をこの都心中央区で咲かせたい、こういうふうに思っているところです。
マンションの急増への対応
  人口急増の主たる要因は規制緩和によるマンション建設にありますが、敷地いっぱいに建つことで路地がなくなり町が分断されたりの問題と同時に、新しい住民への対応も問われており、この点での新たな対応策についてお聞かせください。
  区 長 地価の高い都心区ですから集合住宅は避けられないでしょうね。防災、防犯の面から考えても好ましいんではないかと考えております。こうしたマンションに住む人たちが、人見知りしないよう、町会の祭りやイベントに参加していただく働きかけも必要ですね。マンションについては将来的には建て替えの問題も出てきます。そこで新しい試みとして、マンション管理セミナーを実施するなどして、マンション管理活動を強化するような施策に取り組んでいきます。
名橋日本橋の高速道路問題
  年末に小泉総理が、日本橋の橋の上を通る高速道路撤去について、引退する九月までに具体的な計画をまとめると発表して、地元は大いに喜こんでいます。この点で、国の動きに区としてどう対応されますか。
  区 長 名橋日本橋の頭上の高速道路撤去、これはもう大歓迎ですね。長年の地域の皆さまと本区の悲願が達成されようということで、国や東京都と力を合わせて一日も早く実現したいと思います。目途としては二〇一六年の東京オリンピックということでしょう。十年あれば出来るということでしょ。国も十八年度予算に調査費を入れるということで、これは国が本気で取り組むということ、これほど力強いことはありません。地元では二年前にコンペをやって、海外もふくめて三二四もの応募がありました。日本橋川に沿って高速道路を地下化して、その上は憩いの空間にし、日本橋の雄姿が再現できるわけで、これは日本の、世界の名所になるであろう、とこのように思っております。本区としても全力で邁進し、知恵を出していきたい、と思っています。
築地市場の移転
今後の行方は

  築地市場の跡地について区は具体的な提案をしているのに、都は新市場の実施計画を発表するだけで、区の構想についてテーブルにつこうとしません。そういう中で、築地場外には焦りの声も出ていて、断固移転に反対をもう移転やむなしに方向転換してほしいという声もあります。また、都が跡地をオリンピックの選手村にという構想もあるようで、このあたり、どう考えますか。
  区 長 築地市場移転、これは本当に重要な問題ですね。本区としては、移転先の44ヘクタールの土地の問題とか、移転後の築地の用地をどうするのかなど5つの疑問にプラスして、豊洲の土壌汚染と移転の財源を確保できるのかの2つの疑問、合計7つの疑問の回答が未だ不十分のままなので、近々この7つの疑問に対する回答を、東京都に求めたいと思っています。移転、移転、移転といっても区民や業者の皆さん、都民が疑問を持ったままでは進められませんからね。その回答をまず待ちたい。都の回答が議会をはじめ皆さまが成るほどと思えるものなのか、ということですね。それを受けて、築地市場の移転に断固反対する会の皆さんと十分に話し合って、今後の対応を誤りなきように決めていきたい、こういうふうに思っています。東京オリンピックの選手村とメディアオペレーションについては区には正式な話はありません。本気でそうなら当該自治体に明確な話を持ってくるでしょうから、それを待ちたいと思います。
銀座の新しいまちづくり
  松坂屋の再開発計画があきらかにされて以来、銀座らしいまちづくりを求めてシンポジウムなどが開催されています。銀座では他に三越のリニューアル、歌舞伎座の建て直し、、三原橋の改造などがあります。このあたりの見通しはいかがですか。
  区長 松坂屋さんは関東大震災後に出来たビルで、老朽化が進んでいて建て替えたいということ、これは理解できますね。それに地域の十四の地権者と一緒にやりたいこと、これもわかります。ただ世界の銀座としての魅力に一段と輝きを増すものを期待したいですね。銀座三越は晴海通り側の駐車場と他の地権者と共同開発するという計画で、銀座の新しいシンボルになると思います。歌舞伎座は日本を代表する劇場ですから、他の改築されたところに比べると椅子が狭く耐震性の問題もあります。高度利用もふくめて検討されているようです。これら松坂屋、三越と歌舞伎座については2月に入ってから銀座街づくり会議を開き、それぞれの計画内容を明らかにすることになっているようです。その中で地域の意見が反映されていくことを期待しています。三原橋については長年の懸案でしたが土地の権利が国から東京都に移ったので、中断していました三原橋問題検討委員会を再開する見通しとなりました。晴海通りも三越や歌舞伎座で変わっていきますので、橋の埋め立ての防災上の問題もふくめて、権利者の皆さまにも的確に対応してまいりたい、このように思いますね。
水辺の活用の行方と展望
  朝潮運河の活用について地元のNPOの計画が東京都の指定を受けて新しい方向に向かうということですが、その内容について教えてください。
  区 長 中央区はやっぱり水の都ですよね。13.8%が水辺で東京でナンバーワンです。その水辺の活用となると、まだ不十分です。朝潮運河については、昨年3月、都と区も参加した連絡会を設けて協議会設置に向けて要綱を定め、計画書をまとめて、町会やNPO、業者など16団体から成る協議会の登録を都に申請しました。3月までに推進地区の指定を受ける予定です。運河ルネッサンス推進地区に指定されますと、民間事業者が水上レストランや観光桟橋を作れるようになるし、カヌーやボートなどで運河下りが楽しめ、運河まつりなどのイベントの開催も可能となります。
  区内の川に対して千葉大学など学生たちが関心をもって研究していますね。
  区 長 それは大歓迎だね。学生たちの積極的な提案に対しては区も接触して聞いていますので区政に具体化したい。水辺の活用と共に、川の周囲の縁についても推進したいですね。
耐震偽造事件区の対応は
  昨年から大きな問題になっている耐震偽造問題は、今まで予期しないことで住民の安心・安全の根幹に関わることなんですけど、この問題についての区長のスタンスを教えて下さい。
  区 長 まさにご指摘の通り、これは町の安全、安心の問題で、遺憾な事件と、私は受け止めています。これは人災で制度の欠陥でもありますから、区長会でも現在の建築確認制度にも不備があるということで、制度改正を国に強く要望したところです。区内に3つの物件があります。京王プレッソインについては所有者である京王が取り壊すことを決めています。これは早急に対応するでしょう。それから新川のグランドステージ茅場町。36戸の人たちには本当に思わぬ災難であったわけですから、居住者への公的支援を行うことにして、今月中には目途がつくということです。公的支援、これは国や都と連携して行いたいと思っています。小網町のグランディオ日本橋。これもマンションで、所有者と設計施工したシノケンとで耐震改造などで協議していますので、区としても的確な指導をすすめております。
第2助役復活そのねらいは
  冒頭で区長がおっしゃったように人口10万人の課題解決に執行体制を強化するために第2助役を復活させたんですが、区議会では与党分裂という結果となりました。この点についてはどのように考えていますか。
  区 長 まちづくり助役を置くことで執行体制の強化を図ったわけですが、これは時期的に見てね、遅からず早らずということで、ちょうど良いタイミングで実現できたな、と私は見ているんです。先ほどから言ってるように、私たちの前途にはいろいろな課題があるわけですね。私たち行政に関わるものは先見性を以って対応していかなくてはならない。11月17日に耐震偽造が発覚して、12月に小泉総理の日本橋上空の高速道撤去発言。そして築地市場の問題もこのまま放置できないわけです。本当にタイミングとしてはよかった。中央区の50年、100年先を見越して、区の発展、区民の幸せのために良かったと思っているところです。残念ながら区議会の全会一致できなかったことは誠に残念に思っております。これからね努力して、皆さんに理解を得られるよう、区長としても最善を尽して参りたいと思います。

 
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