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■ 12月19日発行  このページの先頭へ
存続危ない学校さらに検討を
中央区教育検討会の報告書発表

 平成16年6月、中央区教育委員会から諮問を受けて発足した「中央区学校教育検討会」が、2か年にわたる検討のうえ、このほど報告書が明らかにされた。検討会が諮問を受けた課題は次の6点(1)区立学校のあり方について(2)小学校(幼稚園)の学校自由選択制について(3)教育内容の充実について(学力の向上、授業時間の確保等)(4)特色ある学校づくりについて(5)地域に開かれた学校づくりについて(6)幼保一元化について。これらを検討するため、2つの専門部会および幹事会を設置して集中的に審議した。報告書はそれぞれの課題について考え方を明らかにしている。ただし、小学校の学校自由選択制を導入した場合、「存続が危ぶまれる学校」「児童数の減少が予想される学校」「教室の不足が解消する学校」「児童が増加する学校」といった影響がでると予測し、その学校名も明らかにした。これら影響の出る学校のうち、「存続が危ぶまれる学校」と「児童が減少する学校」については、今後の対応を引き続き検討する必要がある、としている。一方、この報告書は全文を区のホームページに掲載して1月末まで区民からの意見を募集する。詳しい問合せTEL3546-5508へ。

域外就学の適正化
 区立学校は本来、区民の子どもを教育するために設置されているもので、多くの区外からの通学児童・生徒を前提とした学校運営を継続することは適切ではない。
 このため今後は、区外からの就学について、一層の適正化を図っていかなければならない。具体的には、現行の区域外就学承認基準の見直しを行い、区域外就学が児童・生徒にとって真に必要な場合に限り認めていくよう改める必要がある。
 また、就学予定の児童に実際の住所地の確認を行う措置も、住民基本台帳の所管部局との連携をはかりながら継続的に実施し、「外見上の通学区域からの就学」(いわゆる越境入学)の発生を防止することが重要。

通学区域の弾力化
 区立小学校における学校規模(児童数)の不均衡は、さらに顕著化し、一部の学校においては教室数の不足が予測されている。また、保護者アンケートでは通学区域の弾力化へのニーズが高く(69%)なっている。
 これらの状況から、各学校の学級数や学級ごとの児童数バランス等に配慮しつつ、通学区域の弾力化を図っていくことが適当である。
 弾力化にはいくつかの方法が考えられるが、中央区の実情や通学児童の安全性を考慮すると、以下の方策が適当と考えられる。
 (1)隣接校自由選択制
 「隣接校自由選択制」とは各小学校の通学区域は従来のままとし、通学区域が接している学校を自由に選択できる制度。これを実施することにより、学校教育の活性化と多様化を促し、魅力ある学校づくりを一層推進するとともに保護者のニーズに応えつつ、小学校の規模の平準化がはかられ、安定した学校運営が可能となる。また、地域特性の比較的似通った区域から児童が通学することとなるため、比較的地域とのつながりを重視した方式でもある。
 (2)隣接校自由選択制の特例
 こうした制度を導入した場合においても、教室数が不足する学校では、隣接校だけで不足数を完全に満たすまでには至らないことや、保護者のニーズ(全区自由選択制の希望割合31.9%)にも応える必要があることから、隣接校でなくても児童の受け入れ可能数に満たない学校への通学を認める仕組みを導入し、教育環境の維持・向上を図る必要がある。

影響と対応について
 「区域外就学の適正化」および「通学区域の弾力化」の実施により、各小学校に対して影響が予測される。
 検討会では「存続が危ぶまれる小学校」「児童数の減少が予測される小学校」については各学校での地元協議を進めながら、引き続き検討を行う必要があると考えている。
 なお、検討の方向性としては、以下の方策が考えられる。
 <存続が危ぶまれる学校>
◇個性的な教育環境の整備による区内の他通学区域児童の積極的受け入れ(教育研究開発校の指定など)
◇小規模特認校の導入(該当校に限定して区内全域を通学区域とする仕組み)
◇民間活力の導入による施設の有効活用(例=「学校施設を活用した私立学校の誘致」「賃貸による他用途活用と、その財源による学校教育環境整備」など)
 <児童数が減少する学校>
◇教育研究開発指定学校やフロンティアスクールとしての位置づけを行い、小規模特認校の仕組みを活用する。

今後の検討組織
 「存続が危ぶまれる学校のあり方」等は、検討を深めることができなかった。このため、平成18年以降、本検討会を発展的に再編し、検討を行うことを希望する。検討にあたっては、各小学校単位で地域や学校関係者とともに協議組織を設置し、各小学校の今後のあり方について協議を進めることが望ましい。

 
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