晴海トリトンの第一生命ホールは本格的な演奏会場として知られるが、来年秋で創立5周年を迎える。ホール誕生と同時に発足したNPOトリトン・アーツ・ネットワークはホール演奏の充実だけでなく、地域と音楽のコミュニケーション普及に尽力してきている。その一つが「アウトリーチ」といわれる活動。
アウトリーチとは何かについて第一生命ホールのかわら版TANが11月1日号で特集している。
アウトリーチとは、アーティストがホールから出かけていって音楽を届けること。対象になるのは保育園、幼稚園や小学校など教育施設から病院、高齢者施設など。ただしオーケストラが学校で演奏する音楽教室とは別で、あくまで音楽を通しての地域コミュニティが眼目。
もともとはニューヨークのYCA(ヤング・コンサート・アーティスト)活動がモデル。若い音楽家の育成とともに若い音楽家が知らない土地で交流を重ねて音楽を普及させるプログラムをこなすことが発祥になった。
日本ではバブル崩壊で、地方に次々に建った公共ホールが使われなくなったとき、自治省の声がかりで、アウトリーチとホールでのコンサートを組合わせたものが誕生。
第一生命ホールという立派なホールがあることを地域の人たちが誇りに思い、そういう関係づくりがアウトリーチの目的という。
|