11日から始まった「税を知る週間」にちなんで、日本橋法人会は11日、ロイヤルパークホテルで「タックスフェア2005」を開催した。「日本橋のまちづくりと税」をテーマにパネルディスカッションを、江戸東京博物館の竹内誠館長がコーディネーターをつとめ、2時間にわたり展開した。パネラーは、評論家の荒俣宏氏、矢田区長、俳優の池内淳子さん、榮太樓の細田安兵衛氏、明治座の三田芳裕社長という多彩な顔ぶれで、各氏の主な発言をまとめてみた。
<荒俣宏氏>上野出身の私が日本橋へ行く時はヨソ行きの服を着せられた。道路が、だだッ広いのに印象が強い。江戸のベンチャー企業が集まった町で、幕末の苦難を思えば、どんな壁も乗り切るノウハウを持っている。将来には楽感している。何をやっても話題になるアイデンティティの高い町だ。川を大切にして船宿を復活してほしい。
細田安兵衛氏 日本橋が完成した時、尾崎市長が「堅固にして美感を備える」と言ってるが、予算の1割も装飾に要した芸術品だ。江戸4百年のパレードの時、石原知事は橋の上の高速道を見上げて、「ヤボだねぇ」と言ったのを聞いて勇気づけられた。保存と開発のかねあいから日本橋ブランドを作りたい。
三田芳裕氏 最近、小さな子供をつれた若夫婦が増えてきた。まちづくりの要は人だと思う。若い人が増えてきたからこそ中高年の人に住んでほしい。人々が納得して地域に配慮できる、昔で言う大旦那、精神としての旦那が復活してほしい。リーダーがまちづくりには必要と思う。
池内淳子さん 私は日本橋と三越と明治座で育てられてきた。私の両親が見合いしたのは人形町濱田屋で、私が明治座に立った時に三田さんが江戸弁を教えてくれたことは忘れない。この年になると地方には住みたくない。やっぱり、東京、日本橋ですよ。便利なんですから。この春から住いがこの近くに移ることになります。
矢田区長 日本橋は私が若い時から歩いて楽しい町で、本ものがある所だった。国税の2%は日本橋が納めているので、日本橋の人たちはいろんなことをもっと主張していただきたい。水辺も道路ももっと活用して、本ものの町を発展させたい。
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