ケアマネジャーや福祉の専門家として介護保険制度に詳しい、といわれる異色の区議会議員・田村宏氏が、生活保護の分野について一般読者向けの本を刊行。改めて、福祉全般の問題に関する深い知識を世間に披露したとして注目されている。
出版元のミネルヴァ書房は福祉分野の第一線の学者の専門書、大学の教科書を扱っていて有名。
本書巻末の中で、同議員が表向きは監修者として紹介されているが、実際はほとんどの記述を担当したという。
現在、三位一体改革や年金問題などの中で、生活保護に対する世間の注目が集まっている折でもあり、生活保護に関わる地域の民生委員や現場のケースワーカーの手引書として、本書の評価が高まるのではと、期待されている。
これまで生活保護を扱った本といえば、難解すぎたり、思想的に偏ったりする傾向が指摘されてきた。が、本書のスタンスは中立で客観的で、内容も事例に即してのQアンドA方式で、それぞれに解説つきで、わかりやすく、事例に沿って読み選べる。
田村議員は、こうした本が広く読まれることで生活保護受給者への偏見や誤解がなくなり、生活に本当に困っている人が保護を受けやすくなることが、実は本書を執筆した狙いですと話す。
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