かつて「勤労福祉会館」といわれた施設が、「労働スクエア東京」と改称され、親しまれてきた屋外プールが廃止されるなどリストラの憂き目にあった末、結局、廃止となり今は更地と化した。集会場や町会の会合の場が次々と消えていくなか、「勤福」として親しまれてきた施設が消えたことは地元住民に少なからめ衝撃を与えた。
最近の東京都が公有地を遊休地と称して、財政難を理由に次々と民間に売却している動きを見て地元は、かねてから「二の舞」を危惧する声がつよかった。
案の条、というのか、都が売却の方針にカジ取り明確の情報が入り、区議会各派は早速、緊急要望を区と都に提出する動きを活発化させ、今週早々にも具体化しそうだ。
かつて「桜川」という名だたる堀川を埋め地下に下水ポンプ場を造成して空間利用した施設だけに、隣接の公園と共に地元の思いはふかい。さらに、中央区では人口が急増して、子育て、教育、高令者など幅広く行政ニーズが広まり、都心での公有地の存在価格が且つてなく重みを増している。
区議会の緊急要望は、こうした行政需要に応えていく責務を強調するとともに、東京都の民間に売却して丸投げにする方式を厳しく警戒。
そこで次のように提案している「民間への安易な売却をせず、仮に売却するにせよ、例えばSPC(特定目的会社)の活用において区が一部出資する枠組みをつくるなど、地元区が関与できる方策の検討を」
SPCとは、投資家から集めた資金で不動産を取得することによって不動産の所有者となる方式。ただしSPCは資産流動化業務しか行えないので、取得した不動産の管理処分は別の不動産会社に委託することになる。
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