区は新年度予算の発表と同時に「基本計画2005」を明らかにした。平成17年度から22年度までの6年間をスパンとしている。先行きを見通しつつ「足元の課題に重点的・集中的に取り組む」姿勢を貫いたという。計画の前提となる人口推計については「平成19(2007)年中に10万人を超え、平成22(2010)年に10万4600人、平成30(2018)年に12万300人」と推計している。また、地域特性をふまえた「3つの視点」として、(1)都心区として社会をリードする責任、(2)幅広い(区民、企業、国、都、関係団体、他自治体)調整と連携、(3)総合的コーディネート機能の発揮、を打ち出している。さらに「団塊の世代」が企業を退職する年代になるところから、「高齢者」が地域社会の担い手として活躍であろうとも期待を寄せている。新しい基本計画が掲げている事業をまとめた。なお「行政改革大綱」は次号に掲載。
次世代の育成と教育改革の推進
<人口増への対応>民間活力を活用した保育ニーズへの対応▽幼保の垣根のない保育や子どもの居場所づくり事業など横断的な施策の充実
<子育て支援>地域で子育てを推進する中核となる子ども家庭支援センターの設置と交流や遊び・学ぶことができる場の設置▽関係機関やボランティア・NPO・団体・保護者などの連携による子育て支援ネットワークづくり(虐待防止ネットワーク、居場所づくりにおける地域の参画など)
<多様な選択が可能となる教育改革>学校の適正配置(統廃合)ありきではなく、各学校の特徴を生かした多様で先駆的な学校づくり(民間活力の導入、国際教育など)▽教育改革特区の活用による教育内容の充実(土曜日授業、外国語教育など)▽都心の特徴や課題をふまえた学校教育の改革(総合的な学力向上、野外活動、国際教育、歴史・文化教育など)▽地域の活動の場としての学校施設の有効活用
生涯を通じて活躍できる社会づくり
<健康づくりと介護予防>健康診査の結果に基づく個人の状況に応じた健康づくりと介護予防の一貫性のある推進(健康と予防事業の充実、筋力向上トレーニング施設の整備)
<多世代が交流する社会>地域における子育てや健全育成への高齢者の参加促進のためのコーディネート機能(シニアセンターの機能強化)▽地域を超えて行動する仲間づくり(シルバー人材センターやシニアカレッジの生きがいづくり)▽就業支援の機能強化
<すべての世帯が安心して生活できる仕組みづくり>ひとり暮らし高齢者などに対する24時間サポート体制の整備▽高齢者による高齢者の日常生活の手助け(シルバー人材センターの機能強化)▽介護保険制度の安定的な運営
環境と調和したまちづくり
<都心の核となるプロジェクトの推進>東京駅前地区や築地市場地区のまちづくり▽地域の特色を生かした再開発の推進▽研究機関や国際交流施設、歴史・文化など都心の機能を高める開発の誘導
<快適な都心居住の推進>容積緩和の見直しと景観、環境、住環境改善などの誘導▽公園・緑地の整備、緑化の推進(環境に配慮した道路、資源循環型社会・省エネルギーの推進)▽水上交通や水辺利用の推進▽情報基盤の整備の促進(CATVなど)
商工業のまちの活性化
<新たな都心型産業振興>産学連携や異業種交流の推進による地場産業の強化▽デザイン産業、情報サービス産業などと区内産業の交流・連携支援▽まちづくりと一体になった産業基盤整備
<都心回遊型観光の振興>観光のための基盤整備(観光案内所、観光案内板、駐車場、観光案内人等)▽観光資源の掘りおこしと情報の発信(水辺の活用、観光ルートづくりなど)▽イベントの再構築
安全・安心で美しいまちづくり
<多様な危機管理の強化>幅広い危機に即応できる仕組みづくり▽都心の特殊性や社会環境の変化に対応した防災対策の充実(高層住宅の防災対策、木造住宅の耐震性の向上)▽人口増加に応じた備蓄の充実や防火拠点の強化)
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