子どもに学習の場を
中央区学力の現状
<全体の結果>平成十五年度の到達度診断テストの結果中央区の小・中学校の基礎的基本的な内容は、各学年、各教科ともおおむね定着している。また、全体の傾向として小・中学校とも算数・数学に比べて国語の履修状況が比較的高くなっている。
<学年段階別の課題>多くの小学校では、全学年において全体的に達成状況が高くなっている。一方で、理解が十分な児童と一部の不十分な児童との差が大きくなっている状況もある。
中学校においては、教科ごとに、前年度までの履修内容の中で、十分に定着していないと考えられる内容がある。
<区民ニーズ>区民や保護者の間では、アンケート調査からもわかるように「確かな学力」のうちの「学んだ力」(知識の量や理解の程度)の低下について心配する声があがっている。
今後の取り組み
今後の学力向上については次のような考え方で取り組んでいく必要がある。
(1)「確かな学力」の育成・定着を図るために、さまざまな取り組みを実施していく。
(2)特に区民や保護者のニーズに応えるため、知識の量や理解の程度の向上を図る取り組みを積極的に実施する。
(3)中央区で学ぶすべての児童・生徒が、「各教科ごとにおおむね満足できる水準を達成する」ことを目指す学校教育を展開していく。
具体的な施策の例
5日制の見直しも
<土曜補修>学習時間を確保するとともに、補修を中心としたきめ細かい指導を実施することにより基礎・基本の定着を図る。
また、現在の学校週五日制についてっは、学校全体が負担過重になっている面があるため、月2回の週6日制への移行を目指すこととし、文部科学省の動向を見極めながら実施に向けた検討を行う。
<夏季休業中の補習>夏季休業中に、補習や発展的な学習などの個に応じたきめ細かい指導を実施することにより知識量や理解の程度の向上を図る。
<個に応じた指導>指導上配慮を要する児童、生徒のいる学級および大規模学級に対して指導を実施し、TTや少人数指導によるきめ細かい指導を実施する。
<到達度テスト>診断テストおよび分析結果をもとにした授業改善プランを各学校で作成し、全体としての児童・生徒の学力向上をめざす。
<TT、習熟度指導>チームティーチングや習熟度別授業など、「わかる授業」に向けた、きめ細やかな学習指導方法を継続して実施する。
<セカンドスクール>豊かな自然の中で、教科学習、自然体験学習、道徳的実践を促す体験学習を実施することによって、学ぶことの楽しさを体験させ、学習意欲の高揚をはかる。
<読書活動の推進>すべての学習の基本となる国語力を高めるため、学校図書館に指導員を配置し、読書の習慣形成や調べ学習による自己学習力を身に付けさせる。
<学習ソフト活用>ドリルや学習ソフトを使用した放課後等の自習学習を実施し、学ぶ機会を増やす。
<朝学習>体系的な朝学習を継続的に実施することにより、学習機会を増大させるとともに、学ぶ習慣を身に付けさせる。
教員の指導力向上
質の高い授業の提供と保護者や児童・生徒のニーズに応じた教育活動を確保するため専門的な指導・助言を行うアドバイザーを学校に派遣し、教員の指導力向上に向けた支援を行う。
教員の資質向上のため、教員研修を拡充する。
教室不足への対応
教室数の不足が予想される学校を含む地域に対しては、次の方策が考えられる。
◇通学区域外からの就学の受入れを認めない。
◇地域内の余剰教室数格差を是正する施策のひとつとして、隣接校自由選択制を導入する。
<隣接校自由選択制>特徴としてはある程度の選択肢をもちつつ、通学の距離、安全性、地域とのつながり等が確保される点にある。保護者アンケート調査およびグループインタビューにおいて、小学校児童の保護者の多くが何らかの自由選択制の導入を希望しているものの、従来どおりの一校指定を求める意見も指定校に通う児童の保護者を中心に根強くあるため、通学区域に関して何らかの地域単位の枠組みを設ける必要があると考えられる。
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