郷土史の金字塔築地居留地研究会
平成2年に発足した「築地居留地研究会」は、このほど第3号の論文集を発刊した。170頁をこえるA四版の力作で、内容も各界の著名人が筆をとっていて充実しており表紙は気球を掲げる錦絵をカラーで載せる豪華版。
築地居留地研究会は当初、10人ほどが集まって研究発表をし合い論評しながら14年も続いたのは、事務局長をつとめた清水正雄さんの陰の力があってこそ会員の誰もが指摘する。清水さんは明石町会の副会長を長くつとめ、長年の希望であった郷土史の資料室が区の支援で出来て以来、館長として明石町の史蹟再現に努力してきた。現在、建立されているミッションスクールの記念碑は全て清水さんの協力があって実現したものだ。
その清水さんが論文集3号の発刊を以って引退を表明。巻頭で菅原涼子さん、あとがきで中島耕二氏、野口孝一氏が無念の思いをつづっており感銘ぶかい。清水さんは「あとがき」で「居留地の研究はまだまだ途中でありますが、高齢のため四足の自由がままならぬ境遇となり、第3号を以って幕引きをせざるを得ない心境に到りました」と記している。
第3号には新富座を築地橋から撮った写真、ピクニックを楽しむ外国人の子供など貴重な資料も掲載されている。
発売亜紀書房(TEL5280・0261)
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