NPO法人東京中央ネット(山本徳治郎理事長)が、今年4月から新企画「今月の特集〜伝統技術〜工芸編」を開始して注目を集めている。
同法人は、平成13年から区内のイベントや活躍している団体などを紹介する「今月の特集〜企画編〜」、区内の観光の魅力を地域ごとに伝える「今月の特集〜都市観光編〜」などで情報を伝え、インターネットを媒介にしたマスメディアとして活躍中。
今回の特集は「中央区に古くから伝わる地場産業としての伝統工芸を、将来の後継者たちのみならず、広く一般の消費者にも関心を持ってもらうための、技(わざ)の伝承普及の観点から企画した」という。
動画、静止画、記事原稿による構成で、NPO法人東京中央ネット(http://www.tokyocho.net/)に掲載されている。
すでに掲載されている伝統技術の店は次のとおり。
人形町甘酒横丁の「ばち英楽器店」▽銀座4丁目の「中澤かつら店」▽人形町甘酒横丁の「岩井つづら店」▽浜町の「高虎商店」▽新富町の「大野屋総本店」
職人の本意を語る
掲載されている店の内容はたとえばこんな具合だ。
人形町「ばち英」「三味線は、基本的に歌舞伎と一緒に育ってきたもので、中央区とは切っても切れないご縁にあります。私が10代の頃は、河竹黙阿弥の本などを読み事前に勉強して、歌舞伎座によく観に行ったものです。歌舞伎は面白いので、今の若い人にもっと観て欲しいと思います。また、それは三味線への理解につながると思います」(2代目当主・小林英二郎さん)
「中澤かつら店」「技のためには感性が大切です。感性は教えたり教わったりするものではなく、芝居を観たり他人の作品を観たりして、数多くの仕事をして、自らが審美眼を養う以外にありません。私も早く『技』の域に達することができるように、未だ努力しています」(3代目当主・中澤利晃さん)
「岩井つづら店」「甘酒横丁にお店を構えているおかげで、商いに大変プラスになっていると思います。人形町が伝統的な文化を継承している街だからこそ、訪ねる人々もそれを期待しているのでしょう」(岩井良一さん)
「浜町高虎」「昔から『江戸っ子は3代続いたら恥』と言います。家系という血筋の中で仕事を続けていくのは、江戸っ子の信条に反することとされていたためです。ですから私も何代目かということには囚われないようにしていますが、私の跡継ぎは自分の子供ではなく、弟子の中から選ぶことになると思っています」(2代目当主・高橋欣也さん)
同ネットはこのシリーズが区内の学校教育などにも活用されるよう希望している。
こちらから映像がご覧になれます。>> 映像イベントカレンダー10月
|