区議会開会中の忙しい合間をぬって区議会自民党の議員団は9月29日、入船橋下の広場予定地と環状2号線の視察を実施した。区の土木、企画部の担当者が同行して説明をした。
入船橋下の広場は、首都高速新富町出口から新大橋通りに架かる入船橋の下に広がる空間。且つて築地川の東支川として本願寺の裏から場外市場、波除神社に至るまで流れていた川を埋め、カルバートにして高速道路を連絡しようという都市計画で設けられた空間である。
このカルバートは晴海通り(門跡橋)の手前まで出来上がっている。東京都はこのカルバートを利用して新しい高速道路(晴海高速)を都市計画設定したものの築地市場の移転問題や財政破たんでストップしたままになっている。
今回、入船橋下の空間(都有地)を都が多目的広場として活用する条件で区に貸与を認めたことから、すでに都は晴海高速線の計画を凍結するのではないか、といった観測も流れている。カルバートは幅7.75メートル、高さ4.5メートルの車道が2本で構成されている。地上は備前橋までは築地川公園となっていて、晴海通りまでは駐車場として活用されている。
区が設ける広場は3つのエリアに分けられる。カルバートから入船橋下までの2千平方メートルを多目的広場として、バスケットボードを3基おき、多目的に利用できる場所とする。水飲み場や時計台、パーゴラも設置する。
また入船橋下の入船側に長さ100メートルのキャッチボール場を設ける。橋の中央下は「わんわん広場」としてペット愛好家に開放される。
この広場は地上から6メートル下に設けられている。このため新しい階段が築地川公園の明石町寄りから護岸に沿って約30度の角度で設置される。
実はこの広場には開かずの扉がある。佃大橋通りの角にあたる場所でフェンスで閉ざされている。高速道路への連絡が佃二中の前あたりまでカルバートで埋められている。高速晴海線の行方からして、今後日の目を見ることはないだろうといわれている。
こうした空間の利用は中央区としては初めてのことで、視察した議員は特にカルバートに関心を注いでいた。なおカルバートの喚気口は暁橋の市場側、公園の間に設けられている。
環状2号線は市場の接点部分、汐留駅付近、新橋2丁目を視察した。とくに新橋の進捗状況が25%程度と聞いて「都の太鼓版は信用できるのか」といった声も出た。
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