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■ 9月27日発行  このページの先頭へ
清渓川と板門店で思う
東京都議会議員 立石 晴康

 「自民党改革を進める議員連盟」の会長として、9月2日から5日まで韓国を視察する機会を得た。目的は2つ。1つは、首都ソウルの「清渓川(チョンゲチョン)」の清流復元事業を視察すること。3つ目は、いわゆる板門店(非武装地帯)の現状把握である。
  清渓川復元事業は、昔、川だったところを埋めて高架道路となっている部分を、また川に復元し、その中に公園、遊歩道路を設置、都市景観を取り戻すと共に、市民の交流の場を設けるという事業である。2003年7月に着工、2ヶ月で撤去作業を完了、2005年9月完成の予定で、6キロメートル、幅20〜80メートルの工事だ。
  この事業は、中央区に置き換えると、日本橋川の上の高速道路を川の下に地下化し、名橋日本橋を復元し、市民の楽しめる、川に顔を向けた都市づくりの景観を創造し、観光資源の一助にするという運動の韓国版といえよう。
  去る7月15日、銀座ブロッサムにおいて開催したシンポジウム「水辺からの都市再生」のパネラーとして出席、水辺都市江戸の現代版の創出を討論したことを想い出し、我が意を強くした。一説によると、日本統治時代に軍用道路として一部を埋めたてたことへの反動だと言われているが、2002年にソウル市長選挙で、李明博氏が事業実行を公約して出馬した。そして、周辺地区の商人、露天商の反対や交通渋滞問題に対する反対運動を押しきっての当選により、事業がスピーディーに進められている。都市のデッサンを描き、将来に対するビジョンは政治により始動することを深く感じ、これからの都市づくりに役立つ現場であった。合理主義、機能一点張りの社会から美と癒しの空間のある都市づくりの時代を目標にすることを感じた。
  さて、ソウルを離れ、北、南の緊張する38度線に向かった。板門店は、9月1日より、国連軍(米軍)の一部再編に伴い、韓国軍へ移譲するため立ち入り禁止となっている。かわりに板門店近くの「第3トンネル」、規模はソウルから北44キロメートルにあり、1978年10月に発見され、深さ73メートルのところに、長さ1635メートル、高さ約2メートル、1時間あたり北朝鮮運一個所の武装勢力が侵入できる規模でありミカゲ石のトンネルの先端まで行った。また、臨津閣では1953年の朝鮮戦争休鮮協定締結後、1万3千名の捕虜が渡った「自由の橋」を見て、金大中時代にソウル→ピョンヤン→北京とつなぐ京義線、朝国側最北端の駅、都羅山駅を視察、非武装地帯、共同警備地域、軍事境界線、今もある地雷原、自動小銃、徴兵制(韓国では20才から2年の義務)などの軍事用語を聞き、ここに観光目的で行くことに抵抗を感じるとともに、韓国の人々が北を見ながら涙している姿に南北統一の必要性と自由のありがたさ、島国日本のある種の平和ボケに感ずるもの大であった。案内人の李女史によると、修学旅行の中高生は南北統一を望んでいない、何故なら経済が悪くなるから、と聞かされ、世代間の意識のギャップを感じた。今では、世界の中でただ一つ分断国家の現状と政治の責任を痛感した。

 
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