区政世論調査は行政改革の対象となって隔年実施となり、6月実施の内容が8月末に明らかにされた。対象は区内に居住する20歳以上の男女を無作為抽出で700人。調査は株式会社エスビー研に委託した。回収率は76%と高い。今回の調査は「定住性」「基本計画」「人権」「男女共同参画社会」「コミュニティビジネス」「公園や道路でのボランティア活動」「歩きたばこ及びポイ捨て」「教育環境に関する基本計画」「施策の評価」の9項目。人口が8万人をこえる中での調査で、長期居住者が5ポイント減り、短期居住者が3ポイント増えるなど、人口の増加による変化も明らかになった。都心志向の強さで移り住んだこともあってか、20年後の将来像については自然や居住環境について楽観的、希望的な期待感がうかがわれる。一方、高齢者福祉や子育てが施策要望の上位にあがるなど、安心安全を行政に求める志向の強いことも示された。
定住志向は8割に
<居住年数>「生れてからずっと」(22.9%)に、「20年以上」(23.7%)を合わせた「長期居住者」は半数近くを占めている。一方、「3年未満」(19.7%)と「3〜6年未満」(13.3%)を合わせた短期居住者は3割を超えている。
過去の調査と比較すると、今回は平成14年より短期居住者は3ポイント増加、長期居住者は5ポイント減少している。短期居住者が増加傾向にあり、近年の人口増の傾向を明示している。
<愛着心>非常に感じるが4割をこえ、少し感じるは3割半ばで、これを合わせると78.2%で愛着者層は8割近くを占める。
過去の調査と比較すると、平成14年より愛着者層が2ポイント減少している。ここ数年の減少傾向は短期居住者の増加によるが、それでも愛着を感じている人が8割近くの高率を維持している。
<定住意向>住み続けたいは半数近く、できれば住み続けたいが3割を超え、2項目合わせると80.8%。一方、できれば転出したい3.9%と転出したい1.7%を合わせた転出意向のある人は6.5%。平成14年に比べ、住み続けたいが3ポイント減少している。
将来展望に期待感
<将来(20年後)の人口>大幅に増加している22.9%、やや増えている55.6%で、合わせた「増えている」は8割近くを占める。
<将来のにぎわい>「居住者が増え、在勤者や訪れる人が多い魅力と活気にあふれるまち」が4割をこえ最も多くなっている。次いで「居住者は減るが、在勤者や訪れる人の多い経済活動でにぎわうまち」19%、「居住者は増えるが、在勤者や訪れる人が少ない生活感の強いまち」16.7%などの順だった。
<将来の自然環境>「緑は少ないが水辺が整備されている」と「まちや公園に緑があふれ水辺が整備されている」が、それぞれ3割をこえた。この2項を合わせ「水辺が整備されている」は6割をこえる。一方、「水辺の整備が不十分」は2割をこえた。
<将来の街並>「路地など古い街並みと高層建築物が共存する新旧が融和した街並み」が最も多く、四割をこえた。次いで「高層ビルや住宅が整然と並ぶ近代的な街並み」23.9%、「事務所、住宅、空地などが無秩序に混在する街並み」16.2%と続く。
<望ましい将来>「住環境が整備された暮らしやすいまち」「事故や災害、犯罪のないまち」「水辺の整備された緑豊かなまち」の3項目がいずれも4割を超えて上位3位を占めた。次いで、障害者や高齢者などを大切にするまち28.9%、史跡や文化財、伝統を大切にするまち25.9%街並み美しい景観の優れたまち21.6%、人のふれあいやつながりを重視したまち21.2%、の順となっている。
高齢福祉がトップ
<満足度順位>満足(1)公園緑地水辺の整備30.3%(2)高齢者福祉介護20.9%(3)清掃リサイクル事業18.4%(4)保健衛生16.6%(5)障害者福祉16.3%▽不満(1)駐車駐輪場の整備35.9%(2)住宅対策33.8%(3)環境保全公害対策27.8%(4)再開発等による地域整備27.6%(5)中小企業対策25%
<重要度順位>上位(1)高齢者福祉介護88.1%(2)障害者福祉82.9%(3)防災防犯対策79.9%(4)子育て支援78.9%(5)環境保全公害対策75.9%▽下位(1)観光振興47.0%(2)男女共同参画社会の推進50.4%(3)コミュニティの育成51.5%(4)生涯学習・文化・スポーツの振興57.3%(5)地域情報化の推進58.4%
<区の施策への要望>「高齢者福祉介護」が5割近くととび抜けて高い。2位は防災防犯対策32%、3位は子育て支援27.8%となっている。
<区の情報化>最も多いのは「行政の手続きが自宅からできる」で、5割近い。次いで、区政の情報をすぐ取り出せる、在宅医療などが通信網でできる、公共施設の予約が自宅からできる、など。
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