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■ 8月23日発行  このページの先頭へ
商店街の将来像を提案 
振興プラン

  区はこのほど「中央区商店街振興プラン」を明らかにした。長びく不況で流通システムが大きく変化する一方で、マンションの急造による人口増という環境の変化に見舞われている商店街が、長い伝統をふまえて21世紀にどうたちむかうか、その進むべき方向を明確にするためにこのプランを作成した。環境の変化においての課題に対して中央区商店街の将来像を示すと同時に商店街を3つのパターンに分けて、それぞれの戦略について提案もしている。銀座と日本橋に代表される「広域型商店街」、東京駅前や人形町のような「オフィス立地型商店街」、そして住民主体のスタイルの「近隣商店街」の3つのパターンについて振興策メニューを並べている。これらのプランづくりについては、平成14年度に実施した都心再生会議での議論を生かすために同会議委員の早稲田大学、寺本義也教授の監修を受けている。プラン策定に当たって区内7つの百貨店へのヒアリング、消費者アンケート、世代別・男女別のインタビューなど具体的な声を把握することにつとめたいという。各商店街はプランに示されたメニューをどう具体化していくかについて今後、区と検討を進めていく。本紙ではまずオフィス型のメニューを紹介した。近隣型は次号に。

働く人との連携で再生を オフィス型の商店街

辛口アドバイス
  消費者が住民からビジネスパーソン(ビジネスマン)へ変化したことから、改めてそのニーズを把握する必要がある。そこで、商店街辛口アドバイザー制度としてビジネスパーソンを募集して、商店街や個店のアドバイスをする。また、オフィスや住宅を対象とした買物代行サービスや宅配サービスなどに取り組み、消費者のニーズ把握に努める。
  地域の特性を生かし地域ブランドをつくり、ここにしかない商品で特色出しを図り、話題提供を実施する。

ハードよりソフト
  商店街としての形が失われつつある中で、費用のかかるハードよりもソフトで商店街のイメージをつくりあげて、顧客とのコミュニケーションを高める。商店街の愛称、シンボルマーク、キャラクターをデザインして、印刷物や商店街の看板などに活用して、消費者への浸透を図る。
  まちのランドマークがあればライトアップに取り組むとともに、ない場合は探すなどしてライトアップや商店街のイルミネーションなどを検討する。
  長期的には商店街の店舗正面のデザインを統一して改修したり、特定の街区や横丁で特色ある街路灯やカラー舗装の整備、パッサージュ(屋根付小商店街)作りに取り組み、個性的な景観を形成する。

新たなにぎわいを
  平日の昼間、オープンカフェを商店街で開催したり、夕方から夜にかけて就業後のビジネスパーソンを対象とした夜市を開催する。
  各商店街に分散立地しているアート関係の画廊やギャラリーと結んで、広域的なアートイベントを定期的に開催する。区内の各所で個別的に開催されている食に関するイベントや祭りも、連携してリレーイベントとして開催することを検討するとともに、情報発信を一元化して区内のビジネスパーソンの集客を図る。
  また、友好交流都市やアンテナショップとの連携を通じて新たなにぎわいを創出し、イベントは当初は公共空間や親水空間を活用し、将来的にはイベント広場を整備する。

情報発信に工夫を
  会員数が少なく組織も小さく商店街活動が低調であるため情報発信活動が非常に少ない。そこで、商店街のチラシやフリーペーパー、商店街ホームページ、メールマガジン携帯電話向け発信などを区内全域で取り組む。

商店街の案内人を
  歴史と文化をもち、街なか観光の魅力を有している。そこで商店街ガイドマップを作成して商店街案内人を配置したり、街なか観光と観光ボランティアガイドを企画したりITを活用した地域ナビゲーションシステムなどで、おもてなしを展開できる。商店街ファンにはクラブ制の特典サービスを提供する。

外国語対応の案内
  外国人観光客に積極的に情報提供していく。そのため、区が中心になって情報提供するとともに、外国語表記の商店街ガイドブックや案内板の作成に取り組む。
  外国語対応の観光ボランティアガイドを養成して、ホテルなどと連携して外国人向けの商店街まち歩きツアーを実施する。

安心な場の提供も
  商店街内に消費者が休憩できる空間が少ないことから、歩道の広い場合はベンチを配置し、昼間や夜間に歩行者天国を実施するなど、休憩できる空間を提供する。花壇や植栽でうるおいを与える。
  商店街の減少で治安が心配なのえ、街路灯をより明るくするなどして商店街のにぎわいを演出し、巡回パトロールも実施する。

不用品で交流促進
  ビジネスパーソンが不用品を商店街に持ち寄ってフリーマーケットを開催して、リサイクル運動を推進するとともに、商店街と交流促進する。

応援団との協働を
  高齢化と後継者難に直面する商店街のサポーターとしてビジネスパーソンによる商店街応援団、学生による商店街サテライト教室の仕組みを導入、支援する。商店街と協働しながら、調査、アイデア、提案、企画の実施までも取り組む。
  また、商店街に未加入のチェーン店などに加入を呼びかける活動に取り組むとともに事務局機能と商店街マネージャー人材をもつ、しっかりとした組織づくりを行う。そして、商店街の将来ビジョンを関係者とともにつくる。

水上バスの連結
  メトロリンク日本橋のような地区内循環バスのコースに組み入れて集客力を高めるとともに、親水空間が身近にある商店街は、将来的に水上バスのターミナルを設置して、浅草やお台場などの水上ルートから入れるようにする。

 
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