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■ 6月28日発行  このページの先頭へ
「特色ある学校」で小規模校を救えるか
区議会で再び「適正配置」を論議

 中央区の人口は規制緩和に都心回帰が重なって今や9万人を突破して10万人目前という状況。しかしながら地域による偏在はとくに児童数において顕著で、たとえば今年の京橋消防団始式で大塚一雄・京橋一の部連合町会長は来賓挨拶で、「私どもの町から城東小に通う子供は1人もいません」と語った。このような現状をふまえて6月定例区議会の一般質問で8期生の大塚忠彦議員(グループ未来)は、「今の現状は16年前の適正配置の時と同じ」との時代認識を示し、さらに「16校全てで特色ある学校づくりができるのか」と疑問を投じたうえで、「今こそ適正配置を断行すべし」と区に提唱して関心を集めた。大塚議員は過去の適正配置の体験にもとづき「今の子供をよりよい教育環境に置く親の責任」に応えたい一念で質問したことも明らかにした。区が設置した「検討会」に一石を投ずるもので、「特色ある学校づくり」が小規模校の救世主なるか、今後の動向が注目される。

大塚議員の質問主旨 子供の今こそ重要

 今までの経過
 大塚議員は、19年前の昭和60年に児童の激減で区が検討委員会を設置し、区議会の文教委員会が「中央区では目にふれていない複式学級」を北海道の稚内に視察し、さらに地元では且つて朝海小が京橋と築地の両校に分かれた体験をもつ同窓会に統合に抵抗が少なく、しかしPTAの父母は「途中でエレベーターから降ろしては困る」の意見が圧倒的だったと当初の経緯を説明した。
 3年後(63年)に答申、翌平成元年に実施計画を発表するが、現状は男子1名、女子7名といったクラスもでていた。複式学級のおそれがありながらも、各小規模校には「何故母校をつぶすのか」の激怒の声が充満していた。各学校を回り「真の教育ができないのではないか」と訴えたと経過を説明。
 こうして平成2年に東華と十思、4年に京橋と築地、5年に京華と鉄砲洲が相次いで合併して新しい3つの小学校が誕生した。平成3年、5期目の区議選で大塚議員は「落選を覚悟したが、当選」、その原因について次のように説明した各校を廻っていて同窓会のお叱りを受けてホウホウの程で帰ろうとした時2人のお母さんに呼びとめられ、「自分の母校がなくなることはとても寂しい。でも私たちは、今、今、自分の子供を育てています。急いで下さい。お願いします」
 それから11年。大塚議員は「当時、人口が減少して、気温がどんどん下がるなら重ね着をするしかない、町会も小学校も『重ね着』をしてしのごうという気持ちで決断、道を開いたのだと思う」とふり返り、「第1次適正配置は成功したといえるでしょう」と評価した。

 自由選択に疑問
 しかし現状は、中央区の真ん中にある5校は「住民が少ないし、交通アクセスも悪いので人集めにも苦労する」と指摘。一方、区は今年3月に小中学校の居住地確認で調査したことを評価しつつも、「このあとどうするのかが子供達にとって一番大事、一生の大事となる」と繰りかえし強調した
 また「特色ある学校」についても16校で作りあげることに疑問を呈し、英国では子供の教育に「友人、先生、施設、環境」を大切なものとしていると紹介。さらに、公立学校が何をもって自由選択制を採用するのか理解に苦しむとも指摘した。
  11年後にして「またまた適正配置か否かの大問題、次代を担う子供たちの将来を占う時が来ました」として、区の考えをただした。

 矢田区長の答弁主旨 適正な規模は必要、教育特区等も検討
 矢田区長の答弁の趣旨は次のとおり。
  <第2次適正配置>学校・学級の適正配置、通学区域など当時の答申は今日でも十分に尊重すべき考え方が示されている。
 近年は人口が増加する一方で地域ごとの人口偏在により児童数の学校格差が生じ、この傾向は今後、10数年続くと予想される。また、防災の拠点、地域の拠り所、貴重な遊び場空間など学校の役割は一層大きくなっている。
 こうした問題を検討する必要があるため今年度、「学校教育検討会」を設置した。適正配置等に関する審議会の答申から16年たって、改めて区民の皆さまの意見をうかがい、小学校のあり方について考えてまいりたい。
 <特色ある学校づくり>国や都教育委員会から具体的なメニューは提示されないが本区では、一輪車や和楽器に取り組み、朝読書や読み聞かせ、英語に加えて仏語や仏文化に取り組み、地域の人に伝統工芸品を教わり、銀座の柳で染めものをしたり、と様々な工夫をし地域と連携した取組みをしている。まさに地域と学校が一体となって運営されていて、本区の特色ともなっている。こうしたことは子どもたちにとって魅力ある学校、地域から信頼される学校という点からも大切なことと考える。
 今後は、さらに「特色ある学校づくり」の推進や適正規模の学校・学級づくりという観点から、他の自治体が実施している全教科の授業を英語で実施するなどの「教育特区の導入」「小規模特認校」などの検討も大切であると考えている。設置された「学校教育検討会」では、こうしたことについても検討することになった。
 今後も地域の方々、保護者など区民の意見もうかがいながら、本区にふさわしい「特色ある学校づくり」を目指したいと考えている。
 (大塚議員は、人口格差ははなはだしいもので区長も今後10数年続くと認めながら、「早急に方向性をまとめる」と答えたことを「心づよい」と評価。また「保護者である父母、さらに子供たちの希望を聞いてほしい」「よりよい努力とより早い対応をお願いしたい」と要望した)

 
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