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■ 6月14日発行  このページの先頭へ
新川の金刀比羅寄席
50回目の記念寄席開く
 昭和62年、亡き吉田信之さんたちが友人の林家時蔵と始めた「金刀比羅寄席」が17年目で50回を数え、7日の夜、ダイヤビル5号館で新川2丁目越二町会(吉川輝男会長)の主催で記念寄席が開かれた。会場には家族づれなど200人の住民が集まり、若くして息子を亡くした吉田さんの父親も顔を見せた。
  記念寄席では4人の落語と今では珍しい俗曲も加わり、町の寄席としては豪華版となり、参加者を楽しませた。吉川町会長が挨拶したのち地元の押田議長、矢田区長、立石都議も参列して「町の文化」に祝辞が寄せられた。
  寄席の先頭は大学4年生の林家彦丸。真面目を絵に描いたような顔つきと語り口で、それが返って観客の気をひいたようだった。続くは林家きくお笑点でおなじみ喜久蔵の息子さん。「落語をやれば女にもてると父に言われて入門したが、もてるのかは小泉総理の息子ばかりで、不公平だ」と絶叫して、会場は笑いにつつまれた。同じ笑点のレギュラー三遊亭好楽は本格的な落語をたっぷりと楽しませ、夫婦の人情を芸達者に演じて好評だった。
  三味線語りの俗曲は三遊亭小円歌。粋なゆかた姿で登場して会場をひきたたせた。山のあなた、で知られる円歌師匠の弟子で、年をとった落語家たちの日常をユーモアたっぷりに紹介するとともに、最後は踊りも披露して懐しい芸に拍手がわいた。
  林家時蔵は彦六師匠の晩年を笑いとともに紹介するとともに、「年をとると嫌なこともありますが、そんなことはきれいさっぱり忘れて、皆さんは長生きして下さい」と参加者を激励。
  寄席の最後に時蔵が挨拶し「吉田さんと始めて50回。次は百回と言いたいが、あと17年、私も生きているかどうかわかりませんが」と言うと、すかさず「大丈夫よ」と押田議長が相の手を入れて、どっと笑いがおきた。
  ひき続き懇親会が開かれ、矢野喜一郎氏の発声で乾杯をして参加者で歓談をふかめ、松谷廣久氏の閉会あいさつで幕となった。寄席の司会は矢澤 章氏がつとめた。
  金毘羅寄席は毎回2、30人が参加して一杯の酒とつまみで時蔵ともう1人の落語を楽しむという、下町らしい文化を継続している。
 
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