明石町の旧二中跡地(4,874・52平方メートル)に住宅と福祉の複合施設が竣工。建ったビルは地下1階、地上22階で、区施設は地下1階から5階まで。住宅は都市公団の賃貸住宅でラ・ヴェール明石の名称で199戸。住宅下層の6階中央はスペイン風の庭になっていて、12階までのフロアをらせん階段で結ぶなどユニークな試みがほどこされている。注目の家賃となると、住宅タイプを多くそろえて選択の幅を広げているものの、ワンルームタイプでも10万円台で90平方メートルをこえると30万円台という月額になった。一方、福祉施設はいずれも初めてのもので、介護老人保健施設(略称・老健施設)はリハポート明石、知的障害者生活支援施設はレインボーハウス明石と愛称がつけられた。老健施設はリハビリをして自立させるもの。知的障害者の支援施設を区が建設するのは東京で初めてで、地域で育てたいとの親の願いが実ったもの。福祉施設は7月にオープン。
パティオでコミュニティ 付加価値を売りこむ
家賃は13万から32万 住宅タイプを多彩に
都市公団の賃貸住宅は、6階から22階まで。
場所は銀座へ歩いて約13分。東京の台所「築地場外市場」や都心のランドマーク・「聖路加ガーデン」も散策気分で気軽に利用できる立地。グルメ・ショッピング・レジャー・カルチャーなど暮らしを豊かに彩る施設がすべて徒歩圏内にそろっている。そして聖路加国際病院が近隣にある安心とハイカラ発祥の面影を残す落ちついた佇まいの明石町がキャッチフレーズ。
住宅棟の中は大きな吹抜けで、その底部にパティオ(スペイン風の庭園)を設けた。緑と柔らかな陽ざし、仰げば豊かに青色が広がる心地よいコミュニティ空間という。
各階の住民が気軽に交流を愉しみ、パティオを利用するために12階までのフロアにらせん階段を設置
5階と17階の屋上部分には緑が植えられていて、ヒートアイランド現象を抑え、緑の保温・断熱効果により棟内の寒暑を穏やかにする役割を担っている。
共用廊下はガラススクリーン・ガラスパネルを採用し、自然光を採りこみ、高層部にあっても共用廊下側からの眺望を楽しめる。各階にも落ちついた光のエントランスホールを設置。
各住宅のリビング・ダイニング等には、床暖房賃貸制度に基づく床暖房設備が設置されている。この制度は、床暖房設備を東京ガスが有償で入居者に貸す制度。
住宅総数は199戸で、タイプは次のとおり。
1K=14戸▽1DK=20戸▽1LDK=35戸▽1LDK+F=6戸▽1LDK+SS=5戸▽1LDK+α=1戸▽2LDK=79戸▽2LDK+S=16戸▽2LDK+F=3戸▽3LDK=20戸。
S=サービスルーム(多目的室等)▽F=フリールーム▽α=アルファルーム。
主な家賃は次のとおり。
1K42平方メートル14万1千〜14万7500円▽1LDK58平方メートル20万2500円▽1LDK+F62平方メートル18万6200円▽1LDK+SS90平方メートル30万4300〜31万5300円▽1LDK+α91平方メートル=メゾネット26万3600円▽2LDK64平方メートル19万6700円▽2LDK+F108平方メートル32万8000円▽3LDK81平方メートル27万4100円▽3LDK84平方メートル27万5000円
各住宅は北向きか南向きかで同じ広さでも家賃に差をつけている。
現地案内所=モデルルーム公開期間中開設、無休。午前10時〜午後5時。0120―220―664。入居は6月下旬の予定。
「レインボーハウス明石」知的障害者を支援
18歳以上の知的障害者が地域の中で自立した生活ができるように居住の場を提供し、日常生活の指導や訓練を行うことで本人の自立促進をはかる施設。また施設での様ざまな活動を通して、地域やボランティアとの交流できる場とする。
知的障害者、身体障害者および障害者(小学生から18歳未満)を対象とした短期入所事業も行う。
<施設入所>原則3年で定員は30人。
<緊急一時保護>居宅において一時的に介護を受けることが困難な障害者(児)を一定期間入所させ、必要な保護を行う。また介護者の心身疲労をケアすることを目的とする一時保護を行う。
<自立生活体験>居宅では体験できない精神的自立や食事の方法、衣類の着脱などの自立を図るため、障害者(児)を一定期間入所させて指導などを行う。
短期入所はいずれも、原則1回7日以内とし、年90日を上限。定員6人。
入所者または扶養義務者からサービスに要した費用のうち、所得に応じた支援費制度に定める基準で算出した利用者負担を徴収する。短期入所では、食材料費の実費相当額(1日1,030円)を徴収する。
公正な入所順位の決定を行うため、学識経験者、施設運営法人、区職員から成る入所調整会議を設置する。
施設は5階に設置。個室を31室。作業指導室が機織りと陶芸の2室。生活空間を個室に接して5ユニットを設置し共同生活を行う。
指定団体は社会福祉法人東京都知的障害者育成会。
「リハポート明石」 リハビリで自立を
リハポート明石の愛称がついた介護老人保健施設は2〜4階までを利用。
2階=デイルームの食堂、機能訓練室兼レクリェーションルーム、サービスステーション、ボランティアルーム。
3階=4人室=10室▽2人室=1室▽個室=4室。中央に食堂兼談話室とサービスステーション。
4階=3階とほぼ同じ。
介護老人保健施設は、おおむね3か月を目途にして日常生活の自立をはかるもの。また居宅介護を支援するために短期の入所療養介護や通所リハビリテーションを行うこともできる。
<利用者の費用>
利用者から介護保険法に定める費用(介護サービス費の一割分および介護保健施設サービスにおける食事の標準負担額)を徴収する。受益者負担の観点から個室料、食材料費など日常生活に要する費用を徴収する。
介護保健施設サービス=個室料1日あたり2500円
短期入所療養介護=個室料一日あたり2500円▽食材料費一日あたり780円。
通所リハビリステーション=食材料費1日あたり330円(昼食)(日常生活に要する費用は実費相当額)
指定団体は中央区医師会。 |