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■ 3月29日発行  このページの先頭へ
『犬と歩けば―チロリとタムラ』 大木さんの思い映画に
 13日の土曜、日本橋小学校で映画『犬と歩けば―チロリとタムラ』の試写会が開催された。
 人形町に生まれ育ったジャズシンガーの大木トオルさんが生涯の仕事に選んだセラピードッグの育成と普及、その思いが映画にまとまった。監督は篠崎誠。田中直樹、りょう、藤田陽子が出演。唯野未歩子、寺島進、ガダルカナルなどが脇役を固めている。
 映画は1匹の子犬が車できた若い女性に捨てられる所から始まる。そして自立できない主人公がその犬と出会い、励まされ成長していく様子が描かれる。この間、大木トオルさんも出演し、捨てられたり交通事故にあった犬たちをセラピードッグとして教育しているところも描き出される。大木さんが関わった人形町商店街、新富町の特別養護老人ホームや日本橋小学校でのショーなども写しだされる。そして、セラピードッグとして生れかわったチロリがひきこもりの女性やお年寄りを元気にしていく様子も刻明に描かれていて、見る人を感動させる。手でふれるだけでなく人の目と犬の目が合うシーンは介護療法の真骨頂を示して、その実効のほどを知らされる。
 この映画は5月の連休から銀座シネパトス(三原橋)と新宿武蔵野館で公開される。

好評発売中「名犬チロリ」

 大木トオルの体験や思いをつづった本がこのほどマガジンハウスから発売された。映画の主人公チロリは捨てられ人間に殺される寸前で大木さんに助けられセラピードッグとなる。こうした犬たちをなぜ救い、訓練するのかを大木さんの体験をもとに描いている。そして中央区の多くの人たちとの出会いも出てくる。
 本の表紙をかざるチロリの表情が心をうつ。この1匹の犬の瞳に見つめられ、歩けなかった人が車椅子から立ちあがり、感情を失っていた高齢者が笑ったそのことを実感できる。
 写真が51カットも収録されていて中央区との関りをよく知ることもできる。

 
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