中央区は築地市場の移転をすすめる東京都に対して「築地まちづくりビジョン」をたてて跡地利用などについての考え方を提案することとして、新年度からその検討を始める。
区議会の一般質問で自民党一期生の礒野忠議員がビジョンの内容を質問したところ、矢田区長は次のような考え方を示した。
「22.5ヘクタール(築地市場の跡地)の活用にあたっては、区と地元が主体的に利用するエリア、用途を限定してまちづくりを進めるエリア、都市計画の手法で規制・誘導していくエリアを組み合わせて考えていく。とりわけ、食文化の継承や場外市場との回遊性確保のための『鮮魚マーケット』の設置や国際的な交流機能などの可能性も検討する必要があり、そのための敷地確保もビジョンづくりの検討課題になると考える」
さらに公明党一期生の田中広一議員には「観光振興のための駐車場」の設置の必要性についても言及。これらを実現していくキーワードとして区長は「築地地区が持つ文化的資産価値、外国人にも広く知られたブランド価値、銀座や浜離宮庭園、水辺と隣接する立地、優れた交通利便性」などのポテンシャルを挙げ、「これらをいかに生かしていくかが鍵になる」と指摘。
礒野議員が時間的な進め方をただしたところ、区長は、「検討にはおおむね一年間程度はかかり、しかし秋頃には中間的な取りまとめをする」との方向性を示すとともに、早期に都に地元の考え方を示し交渉をしていくとの決意も示した。 |