A. 病原体の種類にもよりますが、発熱、吐気、腹痛、下痢が多く、発熱だけ先行し、遅れて腹痛、下痢が出現することもあるようです。正確な診断をするために、熱をはかっておいたり、数日前からの食事歴(生ものの摂取歴)、海外渡航歴、ペットなど動物との接触の有無、便の性状などを記録したりしておくとよいでしょう。
Q. 2. どんな病原体がありますか?
A. 細菌、ウイルス、寄生虫が感染性胃腸炎の原因になります。細菌には、病原性大腸菌、
腸炎ビブリオ、カンピロバクター、サルモネラなど、ウイルスにはロタウイルス、ノロウイルス、小型球形ウイルス(SRVS)など、寄生虫にはアメーバ、ランブル鞭毛虫、サイクルスポーラ、クリプトスポリジウムなどが主な病原体となります。感染経路は主に汚染された水、食品、ヒトや動物の排泄物からの経口感染が多いようです。
Q. 3. 流行があるのですか?
A. 感染性胃腸炎の流行は、今までの統計によると例年初冬から増え始め12月頃にピークを認めます。その後は春にもう一度増加して夏まで続くパターンをとるようです。
冬から春のピークにはウイルス性、SRVS、ロタウイルスが多く、夏には食中毒の原因でもある腸炎ビブリオなどの細菌性のものが多くなるようです。
Q. 4. 診断方法はありますか?
A. 一般的には糞便の細菌検査、ウイルス同定検査、抗原検出など、また血液中の抗体を調べることによって病原体を診断します。
Q. 5. 治療法を教えてください
A. 一般的には対象療法で、整腸剤、吐気止め、抗菌剤などの投与、脱水が強い場合には点滴を行うこともあります。急性期には強い下痢止めは飲まない方がいいようです。排菌が遅れたり、腸閉塞を助長したりすることがあります。ある種の細菌、寄生虫に対しては各々に効く抗菌剤があるので鑑別が必要となります。また2次感染の予防のために、特に乳幼児や高齢者がいらっしゃるご家庭では手洗いと患者との濃厚な接触は避けましょう。