A. インフルエンザの典型的な症状は、突然の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などで、のどの痛み、咳、鼻水などもみられることがあります。普通の風邪とちがって、全身症状が強いのが特徴です。潜伏期間は1日から5日とされています。通常、症状は1週間で軽快することがほとんどですが、肺炎などを合併することがあるので注意が必要です。
Q. インフルエンザと普通のかぜはどう違うのですか?
A. 普通の風邪が流行しても死亡する人はあまり増えませんが、インフルエンザが流行すると、特に65歳以上の高齢者や慢性疾患患者で死亡率が高くなります。つまりインフルエンザは気管支炎、肺炎など併発し重症化することがあるのも特徴のひとつです。
Q. 予防接種はいつ頃・何回受ければいいのですか?
A. 毎年インフルエンザが流行する前の12月中旬までに受けておくと効果的です。予防接種を受けてからインフルエンザに抵抗力がつくまでに2週間程度かかり、その効果が十分に持続する期間は約5ヶ月間とされています。 また、回数ですが13歳未満はおよそ1〜4週間の間隔をおいて2回接種します。13歳以上の方は1回の接種でも十分効果があるとする研究結果が報告されていますが、最終判断は接種する医師の判断になりますので、担当医師に相談してください。
Q. 予防接種の効果は?
A. インフルエンザ予防接種の有効性は世界的にも認められています。 予防接種を受けないでインフルエンザにかかった人の70%〜80%は、予防接種を受けていればインフルエンザにかからずにすむか、かかっても症状がかるくてすむという有効性が証明されています。また予防接種を受けないでインフルエンザにかかって死亡した人の82%は、予防接種を受けていれば死亡せずにすんだと報告されています。 また、インフルエンザウイルスは毎年変化しながら流行するため、毎年流行が予測されるウイルスにあった予防接種を受けておくことが効果的です。ちなみに今シーズンのインフルエンザワクチン製造株は昨年と同様で、A型株:A/ニューカレドニア/20/99(H1N1)、A/パナ/2007/99(H3N2)、B型株:B/山東/7/97です。
Q. インフルエンザにかかってしまったら?
A. 安静と休養、保湿と水分補給が必要です。現在数種類のインフルエンザ治療薬が開発されています。これは発症48時間以内に服用しないと効果がないとされているので、風邪と考えずに早めに医療機関を受診しましょう。 また、重要な点としてインフルエンザに罹っているときは使用してはいけない解熱剤があります。特に15歳以下の患者さんへは、アスピリンなどのサリチル酸系解熱剤、ジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸といった成分を使った解熱剤を投与しないことになっています。インフルエンザ脳炎、脳症の危険があるとされているからです。 一部の市販のかぜ薬には上記の成分を含んでいるものがあるので注意が必要です。 インフルエンザかなと思ったら自分の判断で薬を服用しないで、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
Q. SARSとインフルエンザの違いは?
A. SARSはSARSコロナウイルス、インフルエンザはインフルエンザウイルスによる感染症で、まったく異なる病原体によるものです。初発症状は両者似ていて区別は困難とされています。潜伏期間はインフルエンザが1〜3日、SARSが2〜10日と異なります。もし再びSARSの発生があった場合には、急な発熱がある場合SARSとの鑑別が必要となりますので、できるだけインフルエンザの予防接種をするとともにうがい、手洗い、マスク着用など普段からの注意を心がけてください。