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健康情報2月号
突然やってきます -花粉症-


立春も過ぎ、梅が平年よりも早く開花し、北上しています。街中、公園の脇に目をやると、枝だけになっている木々につぼみを発見し、暖かい春はもうすぐなんだなと思いつつ、足取りも軽くなります。しかし、この季節多くの人を悩ませる花粉がまってくるのです。突然くしゃみ、鼻水などのアレルギー症状があなたを襲います。年々増加傾向にある花粉症とは?
林 剛一(はやしごういち)
 銀座胃腸クリニック院長。順天堂大学医学部卒業。ニューヨーク留学中に内視鏡の世界第一人者である新谷弘実先生から新谷式大腸内視鏡挿入法を伝授される。以来年間、約2千件以上の大腸内視鏡をこなし、早期の胃癌および大腸癌の治療を数多く執刀。
でも、休日はねこといっしょにお昼寝するのが趣味という動物好き。


Q.花粉症はどうしてなるの?
  A. 花粉症はアレルギー反応のひとつで、外界から身体に侵入してくる異物に対する免疫反応なのです。つまり、花粉を身体が異物として認識し、自分を守ろうとする反応なのです。そこにはまず、花粉という抗原に対して身体がIgE抗体を産生します。その後、再度花粉と接することで、花粉とIgE抗体とが結びつき肥満細胞からアレルギーの原因物質が放出され、鼻水、目のかゆみなどの症状を引き起こします。
Q.風邪の症状とどこが違うのですか?
  A. 風邪でも、鼻水、目のかゆみなどの症状がでますが、花粉症では、38度以上の発熱や、喉の痛みなどは普通認められません。また、くしゃみの度合いも、風邪の場合数回でおさまるのに対し、花粉症では10回近く続くのが特徴です。
Q.何か検査の方法がありますか?
  A. 鑑別診断として、耳鼻咽喉科では鼻鏡検査、鼻X線検査などの特殊検査を施行し、他の疾患との違いを診断してくれます。また、血液中のIgE抗体を調べることにより、スギ、ヒノキ、ブタクサ、ハウスダスト、ペットの上皮、卵、穀類などに対するアレルギーの有無が判ります。
Q.薬の飲み方を教えてください。
  A. 薬の種類として、主に抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、ステロイド剤に分類されます。
 そして、症状が出る前、または出てもごく軽い時期から抗アレルギー剤を服用する初期療法が奨められます。そして、症状にあわせて抗ヒスタミン剤や点鼻の局所ステロイド剤を使用する維持療法が奨められます。なお、症状の出方には個人差があるので、各薬剤の特徴を生かした処方をしてもらうのが大切です。
Q.普段の生活上の注意点を教えてください。
  A. 基本的には花粉との接触を避けることが大切なので、あまり窓を開けっ放しにしない、外に布団や洗濯物などを干さない、外出時メガネ、マスクを着用する、帰宅後手洗い、うがいをまめにするなど心がけましょう。もし、症状が出たら早めに医療機関を受診しましょう。放置しておくと重症化したり、慢性化したりしてしまうこともあり得ます。


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2003年2月掲載記事  
※内容は、掲載当時のものとなります  
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