A) シミとは皮膚の色素(メラニン)が局所的に増え、色調が不均等になった状態ですが、いくつかの種類があり、色も大きさもその種類により異なります。
顔面に現れるシミの中で最も多いものが老人性色素斑で、形や大きさはさまざまで、年齢と共にゆっくりと拡大し、色も濃くなりますが、中には厚く盛り上がって脂漏性角化症(老人性いぼ)とよばれる良性腫瘍になるケースもあります。長年の紫外線暴露が原因となるので、日光に当たりやすい頬、こめかみなど顔の側面や、手背から前腕、下腿、上背部などによく見られます。
平らな老人性色素斑であれば自費にはなりますが、メラニンに選択的に吸収されやすい波長のレーザーを、吸収された熱エネルギーが周りの組織に伝わらないような短い時間内に照射することができる、QスイッチルビーレーザーかQスイッチアレキサンドライトレーザーが治療のスタンダードになります。照射部位は軽い火傷の状態になり薄いカサブタが出来ますが、軟膏などで保護し1-2週間で自然にはがれるのを待ちます。またカサブタがはがれた後に炎症後の色素沈着が生じることがあるので、日焼け予防に専念し、色素沈着を予防するためにハイドロキノン軟膏などを外用するのが一般的です。そのためシミのレーザー治療をするなら、やはり紫外線の少ない秋から冬がオススメです。
また盛り上がった脂漏性角化症は炭酸ガスレーザーによる治療も良いのですが保険適用がないので、液体窒素による冷凍治療が一般的です。
シミには他にも10代に多い雀卵斑(そばかす)、20代から増える後天性真皮メラノサイトーシス、30歳前後から増えてくる肝斑などがあり、それぞれ治療法も異なります。
また太田母斑や扁平母斑などのアザや、悪性黒子というホクロの癌との鑑別が必要なこともありますので、正しい診断が大切です。何かありましたら近くの皮膚科専門医にご相談ください。