A. もはや健康管理を語るうえで、世間でも一般的になってきた「デトックス」という言葉があります。体に溜まった老廃物を出すことをデトックスと言いますが、この基本は「水を飲んで身体の外に出す」という行為です。有害物質や老廃物は主に「便」「汗」「尿」という形で体の外に排泄されていきます。つまり、水に溶けた形で体内から出ていきます。
「○○や△△を摂るのが効果的」という健康食品などの謳い文句を見慣れてしまったせいか、デトックスと言うと、何か身体に良いものを摂る事と考えてしまう傾向にあるようですが基本的には「便や尿、汗にどんどん出してしまう」ことを指します。そのためには、水をたくさん飲むことが肝要です。
「どんな水が良いですか」と頻繁に質問を受けますが、結論を言えば「普通のお水(水道水やミネラルウォーターなど)で十分です。」と答えます。
デトックスという観点から述べれば、カテキンを含むお茶には「抗酸化作用」があり、体内の毒素を排出する役割もありますので良いです。しかし、デトックスが目的ではなく、「水分補給」「脱水予防」「熱中症対策」であれば特に夏場は、普通のお水(水道水やミネラルウォーターなど)を多めに飲みましょう。コーヒーや緑茶は利尿作用があるので、摂取しても水分を身体からしぼり出してしまう作用もあるからです。水分を「補給する」という面では普通のお水の方が有利になりますので、そこはお間違いのないよう覚えてください。
今回は「身体に溜まった有害物質・老廃物を出すための水の選び方」を、というご質問についてですので、デトックスの秘策としてのとっておき?の水選びをご紹介します。
それは「蒸留水」を飲むことです。水道の水は塩素やその他微量な不純物が入っていますし、ミネラルウォーターは湧き水ですからミネラルがたっぷり入っています。それに比べて蒸留水は、ある意味まったくの純粋な水ですから、有害物質・老廃物を溶かす力があるのです。「蒸留水は美味しいですか?」と聞かれれば…私の経験では、自宅で作ったものなどは蒸気を貯めこんだ容器の味がするような気がして、美味しいとは言い難いですね。専用の蒸留水器(高額ですけれど)を用いれば、きっと良いのだと思います。(無味無臭のはずですので、美味しいか否かは好みによります)。
たまには、気分転換の意味も含めて、デトックスの手段として蒸留水を飲むのも良いかもしれません。
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◆東京中央ネットの当コラムで取り上げた「水を飲むこと―(2013年8月掲載)」に寄せられたご質問やご意見を反映し、菅井先生のコメントをまとめて、続編として作成しています。尚、6月16日発売の雑誌、学研パブリッシング社『FYTTE(フィッテ)8月号』の特集、「体が変わる 水の飲み方最前線」でも、菅井先生のコメントがご覧になれます。