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中央区のお医者さん

2008.10月号
 

下痢について

 下痢は、便中の水分保有量が増加した状態をいいます。持続期間が、2週間を超えるか否かで、急性と慢性に区別します。急性の下痢が大半を占めます。
 世界的には、今日でも急性あるいは慢性下痢症で子どもの命が失われていますが、日本ではかつての重篤さはなくなり、軽症化しています。
 外来でも、重症下痢症は、ほとんど乳幼児に限られています。重症の下痢となるのは、例えば、他に重大な疾患があり抵抗力の減弱した小児や、2,3ヶ月以下の乳児の下痢、腸管出血性大腸菌などの特殊な病原体の感染など限られるようになりました。
 嘔吐が激しい、下痢を繰り返しぐったりしている、腹痛がひどい、血便がつづく、高熱が続く、唇が乾きおしっこが出ない、下痢以外に肺炎など中等症の疾患を合併しているなどの場合、一度診察を受けていても、早めに再度診察を受ける必要があります。

 

Q. 下痢の原因は何ですか?

  A. 急性の下痢の原因では、消化管感染(細菌とウイルス)と消化管外感染に伴う下痢、抗生物質の経口投与に伴う下痢です。まれに、変質した食物の摂取、疲労や緊張、特殊な食物に対するアレルギーでも生じます。
 慢性の下痢の原因では、原因病原体の持続感染、他の病原体の再感染、乳幼児の場合の二次性乳糖附対象、小腸粘膜の食物アレルギーなどがあります。

 多くは、消化管感染により下痢を起こしています。
 ウイルスで消化管感染を起こすのは、ロタウイルス、ノロウイルス、アデノウイルスなどです。消化管感染の8割から9割は、ウイルスによるものといわれています。突然吐き始め、続いて水のような下痢になります。熱が出ることもあります。1週間ぐらいでよくなります。
 細菌で消化管感染を起こすのは、カンピロバクター、サルモネラ、病原性大腸菌などがあります。高熱が出たり、腹痛、嘔吐や下痢が見られます。血便を見ることも多くあります。

Q. どのような診断と治療を受けるのでしょうか?
  A. すべてに確定診断をつけることはありませんが、下痢が激しい場合や細菌性が疑われる場合に診断方法として、糞便を用いて細菌培養同定、ウイルス抗原検出などがなされます。
 治療は、整腸剤が処方されます。細菌性の場合、その細菌に合わせた抗生剤が投与されます。強い下痢止めは、排菌が遅れたり、腸閉塞を助長することがあり使いません。
 脱水が進んでいる場合、点滴治療がなされます。

Q. 対処法を教えてください。
  A. 家庭での対処で大切なことは、水分補給と食事療法です。
 水分を多く飲むから水っぽい便になるのではありません。下痢で水分が失われるので、水分を十分飲ませる必要があります。
 栄養のことは気にせず、食欲がないときは無理に食べさせる必要はありません。食欲があってもむしろひかえめにし、腸を休ませてください。食べ物の堅さの目安は、便の硬さで判断してください。
 水のようなときは、スープ、おもゆ、味噌汁、りんごのすりおろしなど水分を中心に。
 便がどろどろなら、とうふ、パン粥、とうふ、野菜の煮つぶしなどドロドロの食べ物を。
 便がやわらかい程度なら、おかゆ、うどん、白身魚の煮付け、鳥ささみ、野菜の煮付けなどやわらかい食べ物を与えてください。


 
小坂先生
小坂 和輝
(こさかかずき)
智弁学園和歌山高校・広島大学を卒業し、聖路加国際病院小児科、東京女子医大循環器小児科学教室を経て、現在中央区月島で小児科専門クリニック(病児・病後児保育室を併設)を開業。中央区医師会理事。抗生物質の適正使用、児童虐待、ドメスティック・バイオレンス、少年犯罪、メディア・リテラシーについてNPOと連携して取り組む。本人は社会企業家でありたいと望む。小一と3歳の2児の父。趣味は株・飲むこと・走ること。

小坂こども元気クリニックホームページ


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2008年10月掲載記事  
※内容は、掲載当時のものとなります  
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