A. はい、心肺蘇生は、ABCの順で行います。ABCは、アルファベットの頭文字をとっており、それぞれ、AはAirway(気道)、BはBreathing(呼吸)、Cは、Circulation(循環)です。
次にその一つ一つのステップを順を追って、解説いたします。
(A)Airway 気道確保のために
舌が、空気の通り道(気道)をふさいでしまいます。頭を後屈させ、あご先を挙げることで、気道を確保できます。
気道を確保した状態で呼吸をチェックします。胸や腹の上下運動を見て、鼻や口から息を吐く音を聞いて、そして自分の頬にあたる息を感じて、10を数える位の短時間で判断します。
・呼吸をしていれば、体を横向き(回復体位)にして119番通報します。
・呼吸をしていないのであれば、Bの人工呼吸を行います。
(B)Breathing呼吸のために人工呼吸
赤ちゃんでは、口と鼻を両方から息を吹き込みます。幼児以降の子どもは鼻をつまんで、空気の漏れを防ぎつつ口から息を吹き込みます。ひと呼吸は1〜1.5秒で行い、胸が上がるように、まず2回行います。(胸の上がりがない場合、何らかの異物が気道を塞いでいることを考え処置をします。)
その後、循環のサインをチェックします。『息、咳、動き』が有れば、循環があります。医療者は、ここで脈拍を見ますが、一般の人は、『息、咳、動き』をチェックし、10を数える位の短時間で判断します。
・循環のサインがあるのであれば、気道確保、人工呼吸を続行します。
・循環のサインがなければ、Cの心臓マッサージを行います。
(C)Circulation 循環のために心臓マッサージ
心臓マッサージの位置と圧迫の程度、回数が大事です。位置は、胸の骨の下半分で、圧迫の程度は、大人の場合、約4〜5cmを両手で圧迫しますが、子どもの場合、胸郭の前後径の1/3〜1/2程度で大体約2.5〜4cmを片手で圧迫、赤ちゃんでは、約1.5〜2.5cmを指2本で圧迫します。回数は、子どもは毎分100回(赤ちゃんは毎分100回以上)です。心臓マッサージと人工呼吸を1サイクル5:1の割合でつづけ、20サイクル(約1分)ごとに再評価します。(注、大人の場合、心臓マッサージと人工呼吸の割合は、1サイクル 30:2 です。5サイクルごとに再評価します。)
大人の場合、この次のステップでAED(自動体外式除細動器)装着の手順がありますが、子どもの場合、8歳以上(25kg以上)の適応となりますので、ここでは、割愛いたします。 |