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中央区のお医者さん

2005.6月号
 

キャンピロバクター腸炎

 蒸し暑い季節になりました。この時期注意しなければいけないのが、食あたり。食中毒はもともと行政用語であり、同一の食品の摂取によって複数の患者が生じた場合を意味します。食中毒の原因は病原微生物、化学物質、自然毒などいろいろあります。中でも夏に多いのが細菌によるものといわれています。細菌としてはキャンピロバクター腸炎の増加が目立ちます。

 

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Q. どんな菌ですか?

  A. キャンピロバクター菌は牛、ぶた、ひつじ、にわとり等の腸管に分布しています。また犬などのペットも腸管に保菌しています。菌に汚染された生の鶏肉や牛肉などの食品を食べることによって感染します。また犬や猫などのペットを介して経口感染します。菌は常温の空気中では死滅しますが、酸素の少ない10℃以下の環境では長い間生存できるといわれています。
2 Q. どんな症状ですか?
  A. 潜伏期間は2〜11日(平均5日)で、主な症状は発熱、腹痛、嘔吐、下痢で血液が混じることもあります。下痢の回数は非常に多いことがありますが、軟便だけのこともあるようです。人により症状は重かったり軽かったり差があるようです。1週間ほどで主症状は軽快していきます。 イラスト
3 Q. 治療法を教えてください。
  A. 症状が強い場合には絶食と輸液を行います。抗生物質を投与するとこともあります。経口摂取ができるようになると整腸剤を症状にあわせて内服します。下痢が改善するまでは乳製品、冷たいもの、油物などはなるべく控えるとよいでしょう。
4 Q. 注意点を教えてください。
  A. 国立感染症研究所の集計によると5月から8月にかけて罹患患者が増えるようです。このことよりこの季節にはなるべく生ものの摂取は控えほうがよういでしょう。また、熱に弱いので、食品を充分に加熱する。冷蔵庫は過信しないようにし、食肉を保存する際には他の食品とラップなどでしっかり仕分けするとよいでしょう。

 
林先生
林 剛一
(はやしごういち)
銀座胃腸クリニック院長。順天堂大学医学部卒業。ニューヨーク留学中に内視鏡の世界第一人者である新谷弘実先生から新谷式大腸内視鏡挿入法を伝授される。以来年間、約2千件以上の大腸内視鏡をこなし、早期の胃癌および大腸癌の治療を数多く執刀。
でも、休日はねこといっしょにお昼寝するのが趣味という動物好き。

銀座胃腸クリニックホームページ


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2005年6月掲載記事  
※内容は、掲載当時のものとなります  
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