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中央区のお医者さん

2004.9月号
 

おしり(肛門)の病気

 初秋の風を朝夕に感じながらも、残暑は身にこたえますね。ところで、オフィスで仕事に熱中し過ぎて気がつくとおしりが痛かったり、トイレで血がついていたり、なんてこと経験したことありませんか?今回はおしり(肛門)の病気について考えてみます。

 

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Q. どんな病気がありますか?

  A.  頻度が多いものとして、痔核、裂肛(切れ痔)、肛門周囲の皮膚炎、肛門周囲膿瘍、痔ろう、脱肛、直腸脱などがあり、痔核の中でも、肛門と直腸の境界線より内側にあるものを内痔核、外側にできるものを外痔核といいます。そして内痔核の張れがひどくなり肛門の外へ脱出した状態を脱肛といいます。 イラスト
2 Q. 時々おしりが痛くなるのですけど?
  A.  突然肛門にしこりができて痛くなるのは血栓性外痔核が疑われます。痛みが強く大きい場合には血まめを除去する処置が必要になります。また、脱肛がもとに戻らなくなると痛みが増強し、張れもひどくなります。早めの処置が必要です。また、皮下に膿がたまる肛門周囲膿瘍があります。痔ろうが原因になります。その他、直腸肛門癌、尖圭コンジローム(性行為感染症)などがありますので、心配な場合は専門医を受診してください。
3 Q. トイレの時出血がありましたが?
  A.  排便後の新鮮な赤い出血は内痔核の血管の袋が切れて出血したものが多いです。また、少量の出血と排便後にじわじわ痛みが強くなるときは裂肛が考えられます。赤黒い出血の場合は直腸癌など、腸から出血している可能性があるので精密検査が必要です。
4 Q. よく痒くなりますが?
  A.  肛門にかゆみを感じる原因として、湿疹、乾癬、真菌症、尖圭コンジローム、クラミジア、痔疾患、食物アレルギー、膣炎、糖尿病などの全身疾患、老人性そう痒症などがあります。一般的に多いのは肛門周囲炎といい、腸液や接触性皮膚炎によるただれがあります。痒くても擦らないように注意が必要です。掻いた傷が化膿することもあり、原因から治す必要がありますので専門医を受診してください。 イラスト
5 Q. 下着に汚れがつきますが?
  A.  肛門周囲膿瘍(痔ろう)や炎症性アテロームなどがあり、痛みや張れが強い場合は処置が必要になります。出血、痛み、しこり、いずれのケースも癌などが隠れている場合があるので症状が改善しない時には医療機関で精密検査をお受けになるのがようでしょう。

 
林先生
林 剛一
(はやしごういち)
銀座胃腸クリニック院長。順天堂大学医学部卒業。ニューヨーク留学中に内視鏡の世界第一人者である新谷弘実先生から新谷式大腸内視鏡挿入法を伝授される。以来年間、約2千件以上の大腸内視鏡をこなし、早期の胃癌および大腸癌の治療を数多く執刀。
でも、休日はねこといっしょにお昼寝するのが趣味という動物好き。

銀座胃腸クリニックホームページ


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2004年9月掲載記事  
※内容は、掲載当時のものとなります  
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