遠山の金さん〜江戸のわらじ唄〜 |
昭和61年の初演以来、北町と南町の対立を、みごとな緊迫感で演じ、大いに話題となった代表作で、
杉演劇にとって楽しみな「お待たせ作品」です。 |
天保の頃。江戸浅草は花川戸の履物問屋、新富屋の主人仁兵衛殺しの犯人とされているわらじ職人文
造が、現場できびしく取調べを受けている。もっとも文造は、この一年無実を言い張って南町奉行所 を手こずらせているのだった。
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金さんは、その取調べの最中、文造が納めたわらじの束をながめて、その丁寧な仕事ぶりに胸を打た
れた。二足で三文のわらじにこんな心をこめられる男が恩のある人を殺せるだろうか。 |
北町奉行として、かねて抱いていた不審。文造がいかにも犯人らしく仕立てられている裏にはきっと
何かある。しかし、南町奉行が月番の折の事件で、下手人と決められた文造を救うには、北町奉行と しての自分をかけねば出来ない。
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奉行であれ、文造であれ、人の命の尊さに変わりはない。金さんは、老中水野越前守に再吟味を申し
出る。果たして文造は、そして遠山の運命は・・・。 |