慶長の世、佐々木小次郎は捨て子同然の身分。小太刀の名人・富田勢源に拾われ、剣術の修行をつんだ。勢源亡き後の道場では、誰ひとり小次郎にかなう者はいなかった。
己の力だけを武器に、家柄や権威などに左右されず広い天下に出てみたい!それを引き止めるのが兎禰(多岐川裕美)の存在であった。小次郎の友人・伊之瀬東馬(美木良介)の許婚であるのだが、二人は恋に落ちる・・・。諸国を歩いて武者修行を積んだが、誰からも相手にされず大坂に流れ着きあてもなくさまよう小次郎は、舟の上で宴を張っている一座を見る。その一座の踊り子は出雲の阿国(高嶺ふぶき)、そして船の主は琉球や異国との交易で財を成した南屋十兵衛(林与一)であった。十兵衛と小次郎は互いに魅かれるものを感じ、また阿国の舞に自分が夢見ている剣術の理想の姿に通じるものを感じる・・・。剣一筋に生き、自分の実力を試す為に諸国を巡る。
そんな最中、風の便りに“宮本武蔵”の名が耳に届くのだった・・・。
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