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略歴(2001年11月現在)
昭和12年9月28日
東京生まれ
昭和35年3月
米国コルゲート大学 卒業
昭和37年3月
米国ミシガン州立大学大学院 卒業
昭和37年4月
米国フィリップスペトローリアムカンパニー関係会社勤務
昭和60年
株式会社 小松ストアー 代表取締役社長 就任
株式会社 フェヤーモントホテル 代表取締役社長 就任
株式会社小松アネックス代表取締役社長、株式会社小松リアルエステート代表取締役社長、全銀座会会長、銀座通連合会理事長、日本ホテル協会常任理事、日本ホテル厚生年金基金理事長、東京商工会議所千代田支部会長、東京都警察懇話会常任理事、麹町防火管理者研究会会長 その他、各団体の役員を歴任。趣味は、ゴルフ、セイリング、小唄、笛、謡、仕舞。
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今回の「今月の顔」は、小松ストアーの社長、小坂敬さんです。高級婦人服を中心としたハイセンスで格調高い品揃えを誇りながら、決して気取らず、気軽に立ち寄れるファッション・スペースとして多くの人々から愛されている秘密を、創業者であるお父様の心暖まる思い出話を交え、魅力たっぷりに語ってくださいました。
小松ストアーと銀座のつながりは、かなり深いものとお聞きしましたが。
終戦の翌年の昭和21年。日々の糧を求めるだけの生活をしていた日本人に忘れかけていた『夢』を提供しようと、私の父・武雄が銀座通り沿いにそれまでの料理店という家業と異なる店を構えたのが小松ストアーの始まりです。文字通り焼け跡の中からのスタートで、当然、物も何も無い状態ですから、仕入れも思うように出来ず苦労したようです。以来、様々な夢の形をお客様にご提供して参りましたが、特に昭和32年に現在の本館ビルの建て直しに際し工事現場から小判が発見されたということが、非常に印象的な思い出ですね。ニュースでも大きく取り上げられ、実に『夢』を売る小松ストアーらしい華を添えました。
創業者のお父様から受け継がれた経営哲学はありますか。
父は「人を喜ばせるのは良いことだ」という、見事な経営哲学を持っていました。例えば創業当初から、クリスマスになるとどこかの山から樅の木を切り出してきて、とてつもなく大きなクリスマスツリーを飾ってみたり・・・これが貧しい時代に、何も買えなくても見るだけで人の気持ちを暖かくさせたと思います。また、昔の店舗には中央に階段があり、そこにサンタクロースが立ち、プレゼントを子供達に配るといったこともしていました。今でも、その時代を知っているお客様から子供時代にもらったプレゼントを忘れられないといったお話を伺います。父はアイデアマンの上にとにかく好奇心の強い人で、何処へ行っても人を喜ばせる素材は無いかと探していました。また、それを取り込む努力家であると共に楽しんでいるところもありました。こうした精神が、現在の私の最大のバックボーンになっています。
二代目社長に就任されて、取り組まれたことは。
私は昭和60年に社長に就任致しました。当時はまだ好景気の最中で、商売に広がりのある時代でした。その時に私なりの方針として打ち出したのは、大人の雰囲気を持った店にしようということです。当時は『30歳マインド』という言葉を使いましたが、これは何も30歳代の方だけをターゲットとするのではなく、流行に流されることなく自分の感性と価値観を持っている30歳マインドの女性を大切にした、落ち着きと気軽さと安らぎのある店づくりをしていこうということです。
21世紀の小松ストアーの課題は。
いつの時代も『夢』を売るのが小松ストアーの課題であり、その形はお客様によって違います。ですから、私はトレンドという言葉は嫌いですね。この店では、流行を押しつけるのではなく、ファッションに対する考え方や喜びを感じてもらいたいと思っています。特に、今の若い人達は価値観がはっきりしていて、ごまかしはきかなくなってきています。だからこそ、我々小売業には、真実を追究し心を豊かにすることが求められているのだと思います。
敬社長と中央区との関わりには、どのようなものがありますか。
私の生まれは千代田区三番町ですが、当時祖父が銀座で小料理屋を営んでおり、子供の頃からよく遊びに来ていました。その頃は、まだ裏通りには木造の家が建ち並び、二階からは三味線の音が聞こえていたのを憶えています。最近の話では、今年の10月に開催された“銀座アキュイユ”祭りをきっかけに、将来の銀座を包括的に考えようと、今まで別々に行動していた銀座の35諸団体を連絡する全銀座会が結成され、私が初代会長に就任いたしました。また、私が理事長をお手伝いしている銀座通連合会80周年で新しい銀座について「水辺再生と路地の活性」、「新銀ブラ計画」、「新しい銀座カルチャーの創造」という街づくりヴィジョンを提案しています。これらは、銀座に水路を復活させようとか、銀座の一丁目から八丁目までをストリートギャラリーにしてしまおうといった、『夢』のある街づくりです。
中央区の若い人たちへのお言葉はございますか。
日本人は何かと海外に理想を求めますが、国内にも素晴らしいものはいくつもあります。例えば、中央区はウォーターフロントという素晴らしいシチュエーションにあり観光資源も豊富です。特に、銀座には古いもの、新しいものがあり、両方に共通して言えるのは、心の豊かさですね。銀座を訪れる方も心を豊かにする何かを期待しているし、受け入れる側もそれに積極的に応えようとしています。これから後継者として活躍される方にも、是非、銀座は素晴らしい場所だと自らの体で感じ、訪れる方々に素晴らしい『夢』を提供していって戴けたらと思います。
※記事の組織名や肩書は掲載当時のものです。
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