初代・角右衛門が加賀藩主前田利長公の命を受け、越中守山城(現・富山県高岡市)の普請に従事し、「拝領地大工」として書状を戴いたのが安土桃山時代の天正14(1586)年で、これをもって弊社の創業としています。伏見城や小田原城の普請にも携わり、前田家より拝領した現・富山県井波町を本拠地として、北信越、北海道などの社寺建築を手がけてまいりました。以来営々と続き、今年(平成16年)で418年になります。
東京進出は大正12(1923)年です。先代・父(15代目角平)が東京帝国大学(現・東京大学)の恩師・伊東忠太氏の依頼で新橋演舞場建設に携わっていた折りに関東大震災に遭遇しました。惨状を目の当たりにした父は、首都の復興に尽力することこそ建設業者の使命と強く感じ、京橋区金六町(現・中央区東銀座)に松井組東京出張所を開設しました。昭和6(1931)年には震災で焼失した西本願寺築地別院(築地本願寺)復興工事(昭和9年竣工)を請け負い、現在の会社の基礎を固め、昭和14(1939)年に株式会社松井組を京橋区入舟町(現・中央区明石町)に設立しました。
第二次世界大戦後(昭和20年以降)は社寺建築で培った技術を一般建築にも広げ、昭和23(1948)年には松井建設株式会社と改称し、日本橋江戸橋に本社を移しました。昭和28(1933)年から港区芝田村町にありましたが、昭和47(1972)年に再び中央区(新川)に移転し、現在に至ります。築地本願寺復興を始め、水天宮の増改築など中央区との関わりは大変深いと言えますね。