葛飾北斎 東海道品川御殿山ノ不二(冨嶽三十六景)

御殿山(現・品川区)は、八代将軍・徳川吉宗が桜の植林をして以降は花見の名所になり、江戸庶民に広く親しまれました。葛飾北斎が描いたのは、目前に海を臨み遠方には快晴の富士山を望む景色と、春の到来を告げる桜の華やかな姿です。桜と富士山を楽しもうと集まった開放的な宴の情景は、当世と変わらぬ様子がうかがえます。