歌川豊国 生け花を生ける娘

役者絵や美人画で特に好評を博した歌川豊国は、歌川派が浮世絵界の一大流派を築く基礎を作ったといわれます。女性の芸事の一つ「いけばな」は、花材の自然な姿を生かしそのまま瓶に挿す「抛入れ(なげいれ)」が人気を集めました。本図に描写された娘の着こなしや灯籠鬢(とうろうびん)に結い上げた髪形からも、当時の流行がうかがえます。