東洲斎写楽 四世松本幸四郎の山谷の肴屋五郎兵衛

東洲斎写楽が写したのは演目「敵討乗合噺(かたきうちのりあいばなし)」に登場する肴屋五郎兵衛(さかなやごろべえ)に扮した、当時の名優・四世松本幸四郎(まつもとこうしろう)です。写楽にしては珍しく人物のデフォルメを控えめに描いため、役柄が引き立っています。幸四郎が用いた着物の格子柄が好評を博し、屋号・高麗屋にちなみ「高麗屋格子」と呼ばれました。