HOME > 日本橋トップインタビュー > 株式会社山本海苔店取締役社長、全国海苔問屋協同組合連合会会長、NPO法人東京中央ネット理事長、日本橋美人推進協議会会長 山本 徳治郎
日本橋美人新聞No.23春夏号(2011年)掲載
インタビューアー:山田 晃子
日本橋美人推進協議会 プロデューサー日本橋OLクラブ部会長 ヤマダクリエイティブ代表取締役 山本 徳治郎 株式会社 山本海苔店 取締役社長 全国海苔問屋協同組合連合会 会長 NPO法人 東京中央ネット 理事長 日本橋美人推進協議会 会長 好きな言葉… 細心にして豪胆.
山田 本日は、NPO法人東京中央ネット理事長並びに日本橋美人推進協議会会長の山本さんをお招きし、日本橋と日本橋美人についてお話を伺います。
御社は嘉永2(1849)年創業以来、160有余年の永きに亘り、日本橋でのれんを構えていらっしゃいます。日本橋には江戸時代から続く老舗が多くありますが、6代目社長のお立場として力を注がれていらっしゃることをお聞かせください。 山本 「伝統とは革新の連続である」という言葉の通り、弊社は時代のニーズに添う革新の連続を続けてきた結果、それが伝統になったといえます。創業者にはじまり今日まで、歴代の社長達は、受け継いだものを守ってきただけではなく、その時代に即した商売の在り方を模索し、創意工夫をそれぞれに行ってきたと思います。 ただ何でも新しければ良いということではなく「お客様を第一に考える」「美味しい海苔をご提供する」などの「山本海苔店が何故、山本海苔店たるか」という原則は変わりません。ですから経営の判断をする際は、変わるべきもの、変えてはいけないものをしっかりと見極めて行っています。 私の取組としては、新しい販売ルートの開拓や海外向けの事業展開です。サンリオやカンロなど他社との共同企画商品、また日本橋美人商品「日本橋美人焼きたて海苔」の開発などもその一環です。 山田 海苔はビタミン、ミネラルを多く含み、食物繊維も豊かな上に、カロリーが少ない健康食品と言われています。日本橋の地域ブランド「日本橋美人」商品シリーズの中で、御社で開発された「日本橋美人焼きたて海苔」の特徴を教えてください。 山本 海苔は、なんといっても焼きたてが一番で、昔はそれぞれの家庭で火鉢であぶり食卓に出したものです。「日本橋美人焼きたて海苔」は、上質な有明海産の海苔を毎日手軽に召し上がっていただけるように、リーズナブルな価格でご提供する本店限定の商品です。手巻き用・おむすび用など用途に応じて3種類のバリエーションをご用意していますので、是非、焼きたての美味しさを召し上がり、身体の中から美しくなっていただきたいと思います。 山田 山本会長ご自身の、日本橋のお気に入りのスポットはどのようなところですか。 山本 私は幼少の頃より、本店のある日本橋には、いつも遊びにきていました。今も昔も変わらずに、好きなスポットは「日本橋」の「橋」そのものです。中学生の時に「一番好きな漢字とその理由」という課題が出て、私は迷わず「橋」と答えました。理由は「まさに日本橋のたたずまいを彷彿させる」からで、先生から花丸をいただきました(笑)。橋から眺める日本橋川も、もちろん同様に愛着があります。 昼食の場としては「利久庵(蕎麦)」「ピノッキオ(イタリアン)」「らいん(カレー)」などに足を運びます。夜の食事は「グリル満点星(洋食)」「筑紫樓(中華)」「天松(天ぷら)」また「とよだ(和食)」「たいめいけん(洋食)」「伊勢定(鰻)」などは会合でよく利用します。 日本橋のお気に入りのスポットをあげたら、きりが有りませんが、やはり、自分の店が我が家のように一番落ち着きます。毎朝、店頭で朝礼に出たあとは、外から店を眺め開店に立ち会い、私の一日が始まります。160有余年の間、変わらずこの地で商いをさせていただいていることに感謝し、日本橋の発展無くして弊社の発展も無いと考え、日本橋や中央区のお手伝いを、できる限りさせていただきたいと思っています。 山田 日本橋地域の活性化にご尽力されている一環として、日本橋美人推進協議会の活動があります。その中の事業の一つ「江戸で彩る"Japan Beauty from Edo-Tokyo"第3回日本橋美人博覧会」では、29万5千人もの方が、日本橋を訪れてくださいました。本年も2011年10月21日(金)〜11月8日(火)に「第4回日本橋美人博覧会」の開催が決定いたしました。特に今年は、日本橋架橋100年を記念して「日本橋改修工事アーカイブ展」や「全国の児童・生徒による”日本橋“書道展」が同時に特別開催されます。
山本 日本橋美人博覧会を含めた日本橋美人推進協議会の4事業のさまざまな活動には、地域内外の方々からの厚いご協力があります。この誌面をお借りして、心から感謝を申し上げたいと思います。特に、日本橋美人博覧会は、日本橋の名店、企業、ホテルなど既存の新旧の建物が博覧会会場となり、街ぐるみで協力して開催する一大イベントです。また、街を点でなく面で活性化していこうとするこの取組には、私自身、非常にユニークさを感じますし、山田プロデューサーの卓越したアイディアや企画力に感服しています(笑)。 山田 ありがとうございます(笑)。第3回からは地域外の方々にもご協力いただき、サテライト会場を設けています。江戸市中という括りの中で、更に面としての拡がりを見せています。また、今年の日本橋美人博覧会では「江戸の美意識」をテーマに、展示展開をする予定です。御社が創業当初から使用していらっしゃる 梅 マークがあります。この由来は、海苔が梅と同じように香りを尊び、梅の咲く寒中に最も上質の海苔が採取されたことにちなんでいると伺っています。まさしく、このブランドのコンセプトにも江戸の美意識が感じられますね。ところで、山本会長がお考えになる江戸の美意識とは、どのようなものでしょうか? 山本 浮世絵などで表現された、世界にも通用する独創性だと思います。当時の日本では当たり前とされた構図や色彩が、海外では高く評価されました。一連の協議会の活動を通して、江戸固有の文化が持つ魅力を知っていただき、将来は、芸術などの育成事業もお手伝いし、文化の発展に貢献できればと思っています。 山田 山本会長にとっての「日本橋美人」とはどんな女性でしょうか。 山本 礼儀が正しく奥ゆかしさや所作の美しさを兼ね備えつつ、現代感覚にも優れた女性でしょうか。「伝統と革新」に通じる、バランス感覚が大切だと思います。 山田 私たちも江戸時代から受け継がれて来た「古き良きもの」を大切にしつつ「新しいトレンド」を上手に取り入れて、感性を磨き心身ともにバランス良く、輝く女性でありつづけたいと思います。
ファッションポイント
訪問着:辻ヶ花 袋帯:"REIKO TAKASHIMA”ブランド さわやかな青空を思わせるような天色の地にはラメが織り込まれ、パーティに最適な訪問着です。 桃山時代末期のわずかな期間に現れた「幻の染」といわれる辻ヶ花。現代では、技法ではなく模様の名となりました。 袋帯は、菊花紋様を現代的に図案化したものです。 紫を利かせ色にしたシックな装いは、華やかな中にも上品な落ち着きがあります。 撮影協力:ロイヤルパークホテル www.rph.co.jp 衣裳協力:和Beauty HANAKAGE www.beauty-hanakage.com 着付協力:花影きもの塾 www.hanakagejyuku.jp 撮 影:吉川信之 |
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