男に生まれて
こんにちは!八重洲地下街の小澤です。
日本橋美人ブログには似つかわしくないタイトルですが・・・。
荒俣宏著「男に生まれて 江戸鰹節商い始末」(朝日新聞社刊)のご紹介を。
博学な荒俣さんの江戸幕末の日本橋を舞台とした痛快小説です。
主人公はにんべんの主人、伊勢屋伊兵衛。今よりも動乱の時代を生き抜く商人の姿が生き生きと描写されています。江戸商人のべらんめえ文体に乗ってあっという間に読み終わってしまいました。主人を支える気丈な女性たちの姿も闊達としていて清々しいです。
読みながら考えさせられる部分も多くありました。例えば世の中と商売と人情と様々なものとの関わり方、“お客様目線でものを考える”ことを本当に実践できているかどうか、など・・・。
涼しくなってきましたし、にんべんさんのおいしいだしで煮物を作ってみようという気分にもなりました。
ちなみに、にんべん以外にも榮太樓總本鋪や山本海苔店、三井越後屋なども登場し、江戸時代の日本橋界隈を思い描きながら読みすすめることのできる素敵な作品です。