「人形町 大観音寺」について
(株)建設技術研究所 国土文化研究所の今西です。
本日17日は、月に一度の「人形町 大観音寺」のご本尊様開扉の日です。江戸日本橋観光めぐり事務局が実施している「人形町観光めぐり」にちょうど17日が重なり、初めてご本尊様を拝見いたしました。開扉の日であることから、住職から直接貴重なお話を伺うことができました。
現存するのは頭部のみですが、大観音は鉄仏の中でも特筆すべき作品として1972年に都の文化財に指定されています。
大観音の起源は鎌倉時代まで遡ります。鎌倉時代に、源頼朝の正室である北条政子が鎌倉の地に「新清水寺」を創建し、その本尊として奉安したのにはじまります。1258年の大火により新清水寺は焼失しましたが、本尊は寺僧の手により難を逃れ井戸の中にご安置されました。しかし、この火災で頭部が落ち、現在のお姿になったといわれています。
その後、江戸時代に鶴岡八幡宮近くの鉄井(くろがねのい)から掘り出され、神仏分離の令で由比ヶ浜に破棄されようとしたところを、人形町の住人がご本尊を舟で運び1876年(明治9年)に現在の地である日本橋人形町に奉祀されました。
歴史は本当に奥が深いですね。