人口の急増と長びく不況で
都心再生会議を新設

新年度の一般会計 581億円で6.2%の伸び


 平成14年度の各会計予算案が7日、マスコミに発表された。一般会計の総額は581億3,287万円で、13年度当初より33億6,963万円増え、6.2%の増加となった。増加の要因は、市街地再開発事業や月島保育園舎・保健センターの建設取得による。矢田区長は、中央区の人口が急増するに至った区政の成果を評価するとともに「新たな行政需要も生じている。とくに子育て支援に力点をおいて予算を編成した」と説明。さらに長びく不況で日本橋の問屋街や築地市場の関連業務などが打撃を受けているといった「状況の変化」に対応するため、シンクタンクとしての「都心再生会議」を発足させ、新たな行政指針をうち出すなど、の施策も明らかにした。また本格的な少子社会を迎え、4月からは週完全5日制になる学校教育も新しい時代に入っていく。このため、教育長の諮問機関として「中央区の教育を考える懇談会」を設置することになった。2年かけて「通学区域の見直し」(学校選択制の導入)、幼保一元化、学校教育のあり方、について検討する。人口増や不況の長期化にともない生活保護費などの扶助費も増えている。13年度が6.2%だったのが新年度は18%にはねあがっている。基本構想の三つの目標にわけた主な事業は次の通り。

教育を考える懇談会設立
安心できるまち

 <健康中央21>生活習慣病を予防するため、数値化した健康目標を設定し、それに沿う施策を明らかにする。策定委員会を設けアンケートもして来年策定。43万円
 <アレルギー相談>就学前の児童と保護者の相談に応じ生活指導も。相談は新設の月島保健センターで。隔月に実施。講演会も。
 <親子フロアー>1歳未満の子と親が交流し遊び、情報交換の場に月島保健センターの多目的室を提供。保健婦、栄養士、歯科医、保育士、臨床心理士が相談に応じる。月に8回実施。141万円。
 <肝炎ウィルス検査>B型C型肝炎、肝がんの早期発見のために実施。40〜70歳の五歳刻みの節目、区民検診の二次検診などが対象。2,314万円。
 <介護サービス情報>介護サービスをより広く情報提供し、相談や苦情をしやすい環境づくりを進める。ガイドブックやチェックリストの作成や中央区ホームページからの発信など。251万円。
 <美容サービス>寝たきり高齢者の理髪師の派遣に加え美容師も。423万円。
 <グループホーム>痴呆性高齢者のための施設をPFI方式により青年館跡地に建設するため今年は事業者を選定し契約。全国で初めての方式で十六年度完成。
 <デイルーム・敬老館>勝どき1丁目アパートの建替にともない、8月に勝どきデイルームと同敬老館を開設。  <月島保育園>月島駅前再開発事業のなかで新設。7月に開設。公立保育園の定員は48人増える。
 <病後児の保育>入院しなくとも安静を要する児童をあずかる新制度。月一小前の小坂こども元気クリニックに1日4人、利用は原則7日。保育料は1日2,000円。
 <新生児家庭に支援>産後4週間以内の母親がいる家庭にホームページヘルパーを派遣して育児・家事の支援をする。区の保健婦も同行し相談も受ける。1回2時間以内、1人につき15日まで。
 <児童館の運営>子ども会の開催、子ども新聞の発行など自主参加をすすめる。
 <ブーケ祭り>女性団体の日頃の成果を発表する場。6月28日(金)29日、女性センター・ブーケ21で。
 <民間の特養ホーム>新富町の社団法人シルヴァーウイングが4月開設。40床。


安全で快適なまち

 <分譲マンション>(1)管理組合の交流=情報交換のため交流会を3地区で年1回開催する。(2)情報誌の発刊=管理組合の自主活動を支援する。年に1回発行。(3)ガイドブック=区の施策を中心に組合案内書を3,000部作成。
 <浜町公園>4期に分けた工事が竣工。5月にはデイキャンプ場が開設される。佃3丁目の旧青年館に接する相生橋下流部に石川島公園としてスーパー堤防を3年かけて造成する。
 <ISO14001>区の環境不可の低減をはかるため次の施設で12月にも認承を取得する。本庁舎、日本橋と月島の出張所複合施設、中央保健所複合施設。
 <ペットボトル>スーパーなどの店頭回収に新たに小学校16校でも実施。
 <電線の地中化>狭い道路でも可能な新しい整備<ソフト地中化>についての調査を室町1丁目、本町1丁目地区で実施する。
 <歩行者専用橋>朝潮運河の出入口(勝どき6丁目―晴海5丁目)に架かる橋で、幅員3.5メートル。来年3月に完成する。総工費6億9千万円。
 <低公害車の優遇>区営駐車場を利用すると、定期利用なら申込み時に優先割当をし利用料を割引、時間制は利用料を割引。
 <勝どき駅出入口>増設工事が来年10月に完成。都市公団と晴海再開発組合で1億2千万、区が3千万円負担する。
 <防災井戸>今年次に次の3カ所を整備して全ての防災拠点で確保。泰明・明石小、京橋プラザ。
 <家庭用消火器>平成4・5年度の配付を無償回収し、新たに購入する家庭に助成して本人負担は2,000円に。6,476万円。
<都心再生会議>急激な人口増、不況の長期化、本社の転出などの変化に相応できる施策を展開するために、本区の産業、公共サービス、まちづくりの現状と課題を整備したうえで、地域のあるべき姿とそれを実現するためのプロジェクトや手法などについて従来の都市計画や行政施策のワクをこえた総合的施策を確立する。来年3月までに「都心再生プログラム」を策定。

賑わいと躍動のまち

 <共通買物券>商店街の振興のため3回目の実施。発行総額は3億6,189万円。販売は六月のみに。
 <商工団体記念行事>区商連50周年、工団連40周年の記念式典を来年2月、ロイヤルパークホテルで。
 <産業文化展>10月16日から19日まで、日本橋プラザで開催する。
 <観光商業まつり>第50回目の特別行事を区内3地区で10月に実施する。
 <江戸開府400年>来年の記念行事について各界の代表により実行委員会を設けて検討する。
 <勝どき区民館>都営勝どき1丁目アパートの建替えで8月に開催する。
 <月島区民館改修>月島駅前再開発にともないエレベーターなどの改修工事を8月から来年3月まで。
 <小学校にも相談員>いじめ、不登校など心のケアのため臨床医を派遣。6校でモデル実施。
 <パソコンサポート>小中学校のパソコン教室に講師を派遣して教師を支援。1校平均年80時間。1千万円。
 <教育を考える懇談会>通学区域の見直し(自由選択)学校教育のあり方について、学識経験者や校園長PTA代表20名で設置。2年間を要して検討する。
 <校内LAN>小中学校の普通教室、特別教室にパソコン機器を整備して校内ネットワークを構築する。小中各1校でモデル実施。

学校5日制の対策

 今年4月から実施される学校5日制に対して教育委員会は次の対応策を実施することにした。
 (1)制度の趣旨や余暇のすごし方をパンフレットに、子ども向けにイベントカレンダー配布。(2)地域の知識・技能文化を子供に伝える文化のリレーを継続していく。(3)スポーツ支援=土曜日・スポーツ少年団やPTA青少協に校庭や体育館を優先的に提供し、そのためにスポーツ用具も整備、体育指導委員などの指導のもとに、子どものスポーツ活動を支援。総額306万円。