Q1) 高校2年、バスケットボール部に所属しています。1週間前からひざのお皿の下が痛くなりました。大会が近いので湿布を貼りながら練習に参加していますが、痛みが取れず困っています。どうしたらよいでしょうか。


A. 「ジャンパーひざ」の可能性が高いでしょう。バスケットボール、バレーボール、ハンドボール、サッカーなど、ジャンプ、着地、ダッシュ、ストップなどの動作を繰り返すスポーツに見られる代表的なスポーツ障害のひとつです。お皿の上の大腿四頭筋~お皿(膝蓋骨)~お皿の下の腱からなる、ひざの「伸展機構」の使い過ぎにより、お皿の上下の腱付着部や腱実質の微細な損傷をきたして、障害が起きます。お皿の下の腱の部分に、押すと痛い部分や腫れがあるはずです。
 治療は、痛みを誘発するスポーツの運動量を減らす、一時的に中止するなど、局所を安静にして冷やすことで、消炎鎮痛を図るのが基本です。超音波を用いた物理療法やひざ周囲筋力の強化訓練などの運動療法も有効です。また、ヒアルロン酸の注射療法も有効で、最近では体外衝撃波や自己多血小板血漿(PRP)療法なども試みられています。
 いったん発症すると、難治性となる場合や、長期間のスポーツ活動中止を余儀なくされる例もあるため、スポーツ活動前後に大腿四頭筋の十分なストレッチング、終了後に患部のアイシングを行うなど、普段のトレーニング時から発症の予防に努めるのが賢明です。
 発症には、筋力、筋の柔軟性のアンバランスや下肢の回旋異常といった解剖学的因子や家族やコーチからの過分な期待に応えようといった精神的因子による過負荷、無理なトレーニングプログラムやコートやグラウンド状態、靴などのスポーツ環境因子など多因子が絡み合っています。発症の予防のためには、個々の運動能力を把握している指導者側が、発症要因を熟知し、限界を超える過度な運動を控えさせるようコントロールし、各々が最適な環境のもとでのスポーツ活動を行えるよう配慮していくのが大切です。
 いずれにしても、痛みを感じたら、早めに整形外科医にご相談ください。

  
  

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病院名 リバーシティすずき整形外科
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