Q1) 小学6年生の息子がドッジボールで「突き指」をしました。右人差し指の第1関節が腫れ、完全に伸ばすことができません。軽く引っ張ってあげて、冷やしておけば大丈夫でしょうか?


A. スポーツによる外傷のうち、最も多いものが、手指のケガです。なかでも、頻度が高いとされるのは、野球、バレーボール、バスケットボール、ドッジボールなどの球技による第1関節(遠位指節間関節:DIP関節)損傷です。「突き指」という俗称が、ごく日常に遭遇する、軽い手当のみで放置してよいケガのような印象を与えてしまっているのかもしれませんが、早期に治療すべき病態が含まれ、放置すると機能障害を残すことがあり、注意が必要です。
まずは、腫れをきたしている時点で、局所に何らかの損傷をきたしているはずなので、少なくともアイシング、挙上などの一般的な初期治療が大切です。関節を伸ばすことができないとなると、マレット指と呼ばれる、指を伸ばす腱(伸筋腱)の断裂または腱付着部の裂離(剥離)骨折の可能性があります。その場合は、比較的長期間の固定や最悪手術が必要となることもあります。関節変形が強い場合は、脱臼や骨折を起こしている場合もあり、整復操作が必要となりますが、診断前にむやみに引っ張る行為は組織の損傷をさらに強めることにもなりかねません。腫れや痛みが強い場合は、早めに整形外科医による診断を仰ぎましょう。

Q2) 中学2年になる娘がバレーボール中に小指を「突き指」し、第2関節が腫れて手のひら側に皮下出血をみとめます。どうしたらよいでしょうか。


A. 第2関節(近位指節間関節:PIP関節)も第1関節と同様に損傷をきたしやすく、とくに小指側の3本の指に多いとされています。皮下出血を伴っている場合には、関節が過伸展や側屈を強制されて側副靱帯や掌側板と呼ばれる軟骨を損傷している可能性があります。診察やレントゲン検査で関節不安定性の程度や骨折の有無を確認して、必要な場合はギプスなどで固定を行います。
靱帯損傷がありながら初期に十分な固定を行わなかった場合、痛みや腫れが持続してかなり時間が経過してから来院される例も多いため、まずは受傷早期に整形外科医による診断を受け、適切な初期治療を受けましょう。

  
  

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病院名 リバーシティすずき整形外科
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